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彷徨った果てに
第五章
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道の中でだ。ボールを蹴っていた。そのボールはだ。
 ぼろぼろのサッカーボールだった。そのボールを見て彼は言ったのである。
「ああ、ああした感じでな」
「どうだったの?」
「俺もサッカーをやってたんだよ」
「子供の頃はそうだったのね」
「俺の場合は畑と畑の間で兄貴や弟達とだったけれどな」
「それでもああしてだったのね」
「ああ、サッカーやってたんだよ」
 こうだ。横にいるミレットに目を細めさせて話したのである。

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