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メルヘン少女の15年
【第2話】30号室の架綾ちゃん
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「今日はいいお天気だねぇ〜」
「そうですね〜」

2人でベンチに座りのほのほしていると向こうの方に一人の女の子が倒れているのが目に入った。

「流李さん見て、誰か倒れてる・・・」
「え?どこですか?!」
「こっち!」

亞李鎖は倒れている人影が見える方へ走っていく。
そこにはやっぱり女の子が倒れていた。
亞李鎖よりも背が小さく、ショートにカットされたフワフワした髪が印象的だった。

「流李さん、どうしよう・・・」
「とにかく少し落ち着きましょう。」

アワアワしている亞李鎖を落ち着かせようと流李は優しく声をかけた。

「とりあえず病室に運ばないと・・・」

とは言ったもののこの子の病室番号はしらない。

「どうしましょう・・・」
「あっ、流李さん!この子のリストバンドに部屋番号書いてあるよ!」
「え?本当ですか?!」

その子がつけていた薄ピンク色のリストバンドには小さく『30号室』と書かれていた。

「30号室って2階フロアだよね?」
「そうですね、さぁ運びましょうか。」
「うん!」

流李は女の子を抱きかかえ、小走りで30号室に向かった。
病室に着くと、そっと女の子をベッドに寝かせた。

「看護師さん呼んだほうがいいかな?」
「そうですね、念のため呼んでおきましょう」

亞李鎖はベッドの横にあるナースコールを鳴らした。
数分で看護師はやってきた。

「架綾ちゃん?!、え?あ、」
「ああ!いっちゃんだ!」

いっちゃんと呼ばれた看護師は、よく亞李鎖のお世話をしてくれる(でも、よく流李がお世話をしているのであまりやることはない)新人の看護師だ。本名は空梓ノ 伊織(からしの いおり)

「いっちゃん、いっちゃん!この子!」
「えっ!あ!そうだった。架綾ちゃんどうしちゃったの?って・・・なんでアリスちゃんたちが?友達だったの?」
「違うんだけど・・・お庭散歩してたら倒れてたの」
「お庭に?・・・一人で外出ちゃだめだっていったんだけどな・・・」

いっちゃんは困ったような、かなしそうな顔をしました。
なぜそんな顔をするのか、まだ私はわかりませんでした。

「なんで一人じゃお外出ちゃだめなの?」
「ん〜っとね・・・」

亞李鎖はじっと、伊織の次の言葉を待っている。
伊織は諦めたようにため息をもらし架綾の病気について話しました。

「架綾ちゃんね、睡眠障害なのよ・・・」
「睡眠障害・・・」
「うん、それと・・・記憶障害・・・」
「・・・記憶、障害・・・」
「ええ、架綾ちゃんは何かあった次の日にはもう記憶がないの、いや、違うわ完全になくなるわけじゃなくて、曖昧になる、といった方が正しいわね。」

少しの間、沈黙が続いた。

「んっ・・・
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