暁 〜小説投稿サイト〜
SAO−銀ノ月−
第十五話
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
んは《風見鶏亭》の一階にて、食事をとっていた。

「……そうだな……そういや、ここらへんは来たことがなかったから、ここらへんをぶらぶら回ることにするよ」

「だ、だったら私、案内しますよ! ここらの中層は詳しいですから!」

あ、と思ってしまってからはもう遅い。
朗らかに笑顔を浮かべ、「お、いいのか?」という、ショウキさんに対して、「やっぱり恥ずかしいので……」、と断るのは、私には出来なかった。

良心の呵責で悩んでいるとき、突然ショウキさんがメニューを広げた。

「ちょっとメールが……ッ!?」

メールが来た、と言い切らず、ショウキさんの顔は固まった。
メールの内容が、そんなに驚く内容だったのだろうか。
私は、悪いと思いながらも、好奇心に負けて聞いてしまった。

「……どうしたんですか?」

私の問いかけに、ショウキさんはいつもの笑顔で明るく返した。

「……いや、ちょっと用事が出来ちゃってさ。悪いけど、案内はまたの機会に回してもらうよ」

用事――
ショウキさんはまた、他の人を救いに行くのだろうか?

「それじゃ、御馳走様でした」

きちんと礼を言って、ショウキさんは立ち上がった。

「あ……て、転移門まで送ります!」

昼御飯のお代を、私の分まで払おうとするショウキさんに、私はそれをさせじと追いかけた。


「へぇ……コイツ、可愛いなぁ……」

 ダンジョンに潜るのは、だいたい朝と夜のため、街にあまり人影は少ない。
いるのは、一旦帰って来て昼御飯を食べにきたプレイヤーと、観光に来たプレイヤーだけだ。

 そして、転移門へ歩いている途中、ショウキさんはピナと遊んでいた。
普通は、飼い主以外に懐くことは無いと言われているテイムモンスターだが、ただのデマだったのか、それとも、生き返らせた人だとピナも分かっているのか、ピナはショウキさんにとても懐いていた。

「ピナもきっと、ショウキさんに助けられたことが分かってるんですよ」

「助けたのは俺じゃねぇって。俺は手助けしただけで、こいつを助けたのはお前だよ、シリカ」

 そう言いながら、ショウキさんは私の肩にピナを乗せる。

 何でだか知らないけれど、ショウキさんは頑なに『助けた』ということを認めなかった。
何かこだわりでもあるのかな……

『ピィ……』

 肩に乗ったピナが、私に向けて声を出す……やっぱり、ピナにはバレちゃうよね。

 ショウキさんが、他の層に行くと言ってから、私は落ち込んでいた。
……いや、落ち込んでいると言って良いものか、なんだか胸がズキズキと痛む……

「そういえば、ショウキさん。どこの層に行くんですか?」

私の知っている低層であれば、案内出来るかと思った私は、早速シ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ