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【完結】剣製の魔法少女戦記
第五章 StrikerS編
第百五十八話  『決戦(2) ライトニングの攻防』
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中将に対しての…」
「言葉で語れることではない…道を開けてもらおう。さもなくば…」

そう言いゼストは槍を構える。
それでシグナムは即座に剣へと手を伸ばし、しかしまだ鞘から剣を抜かず、

「言葉にしてもらわねば、譲れるものも譲れません。私の独り言と流してもらって結構です」
「……?」

突然シグナムは昔話でもするかのように少しだが口元を緩ませ語り始める。

「私は…いや、夜天の魔道書の騎士である私達は今の主である八神はやてを足の病魔と闇の書の呪いから救うために事件を起こしたことがありました」
「………」

シグナムの語りにゼストは無言で通す。
しかし、上げた槍をまた下げたことから聞いてくれる事を心の中で感謝したシグナムは語る。

「色々な魔導師、あるいは生物から魔力を蒐集しました。これが間違った方法だと分かっていても…。
しかし、とある少女から真実を教えられて我らは彼女と言葉を交わしました。
そして彼女は我らを救ってくれるばかりか消えていくかもしれない仲間の命までも救ってくれました。
あの時、言葉を交わしていなければどうなっていたかは、わかりません…。
ですが言葉を交わしたことによって我らは確かに救われたのです」

目をつぶり過去の事を思い出しながらシグナムは語る。
そう、件の彼女、シホはシグナム達の事情を理解してくれてさらに救うとも言ってくれた。
結果、はやては助かり、シグナム等騎士達も救われて、さらには闇の書とともに消えようとしていたリインフォース・アインスまでをも救ってくれた。
それがシグナムにとってどれだけ嬉しいことだったかは想像に難しくない。
素直に喜びを表現できるヴィータを羨ましいとも思ったことが幾度もある。
そう、そして言葉を交わしたからこそ“今”があるのだ。
だからゆえにシグナムは語りかけをしたのだ。
そして、それを聞いていたゼストは彼女の言葉が本当の事、真実なのだと悟る。

「…話は戻します。言葉にしてくだされば我らもなにか協力できるかもしれません。だから話してください。あなた達の事情を…」

シグナムは剣ではなく代わりに手を差し出す。
その姿はかつてのなのはの聞く姿勢に近しいものがあるかもしれないと自身で思いながらもシグナムはゼストの言葉を待つ。

「だ、旦那ぁ…」

アギトはシグナムの言葉に少し感情移入したのか弱々しい声を上げながらもゼストを見上げる。
ゼストも無言で目をつぶり決断しようとしている。

「シグナム、さすがですぅ…」

リインはすでに少し涙目になりつつある。

「…すまない」

果たして、ゼストの口から出された言葉は拒絶の言葉であった。

「お前の言葉は確かに真実だろう。その目が語っている。
…しかし、我らにはもう、時間が
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