影に潜む人形
[1/7]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
デュエルアカデミア実技試験日当日。
筆記試験?正直バカにしてるんじゃないかってレベルでした。ただエアトスは俺の後ろでウロウロとしていたため、気が散る気が散る。試験中なので怒鳴るわけにもいかず、じっと我慢する方が辛かった。(後日念じれば話せることを教えられ、寝技をかけてやったのは秘密)
筆記試験の日もそうだった……というか毎日なのだが、恵は公式設定にもある通り朝が非常に弱い。
どれくらい弱いのかと言うと、放置しておくと午前中くらいは余裕で寝ている。
たとえ起こしたとしても三時間くらいはぼーっとしている。無表情でと追記がつくが。
試験が始まる時間は朝早く。筆記のときはなんとか始まる前に覚醒したのだが(道中は俺が背負って行った)その筆記の成績がよく、俺が第五位、恵が第一位で試験をパス。
……一問間違えたんだよ。バニラモンスターのテキストなんて覚えてるわけないだろうに。
試験の順番は筆記の成績の良い順に始まる。つまり恵は一番最初。筆記試験のときよりもさらに早い時間に試験を受けなければならないのだ。当然上の空だろう。
なので恵を背負い、試験会場へ向かっている最中にあれこれ考えているのだ。
けして周りからの痛い視線と背中に当たる感触から現実逃避しているわけではない。
そんな現実と……もとい脳内議論を続けているとようやく目的地に到着した。
まだ早いとあって人はまばら。成績優秀者を見ようと朝から来ているくそ真面目な連中や自分たちのように番号がかなり若いやつら、試験官たち以外はいないようだ。
相変わらず視線が痛いが用事を済まないといけないので、試験の準備をしている黒髪でサングラスの比較的若い試験官の元に歩み寄る。
「すみません、ちょっといいですか?」
「ん?君は?」
まあ、話しかけてきたのがぼーっとしている美少女を背負っている不思議な青年なのでその質問は妥当か。道中で通報されなかったのが不思議なくらい。
「受験番号五番の尾上逢魔です。こっちは受験番号一番のレイン恵」
「ああ……ふむ。それで用件はなにかね?」
試験官に名前を言うと試験官は脇に置いてあった資料をパラパラとめくり、受験生であると確認。
間違いがないことが確認できたためか多少対応に柔らかさが出た。
「受験番号一番のレイン恵ですが、この通り朝がとても弱いのですみませんが後に回していただけませんか?」
キャラが違うって?バカ言え、俺だって敬語くらい使える。
「そうだな……まあよかろう。覚醒したら私に言ってくれ。基本的にこの付近にいるから、言ってもらえれば都合しよう」
「ありがとうございます」
「礼には及ばん。筆記試験第一位という逸材をそんなくだらない理由で撥ねたりしたら我が校の損
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ