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DAO:ジ・アリス・レプリカ〜神々の饗宴〜
第二十六話
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アリス・レプリカ》のプレイヤーやNPCである六門神の名前には、不思議な響きの名前が多いのだが。

「”天恵祭”ウォルギルの代理パートナーを務めている、君達から見れば《NPC》に当たる六門神、”万里”シスカープだ。よろしく」

 代理、という言葉に、改めてウォルギルが、元は自分たちの仲間になるはずだったという事を考えさせられる。もし彼がセモン達と行動を共にしていたら、今までの冒険はどのようなものになっただろうか。

 だが、今はそんな事考えていても無駄だと思う。ウォルギルはセモン達の仲間にはならないルートを選んだ。かつてコクト達と六門世界を旅した英雄の一人、ウォルギルは、今、《白亜宮》の先兵としてかつての仲間と剣を打ち合わせているのだから。

 そしてコクトが戦っているのなら、きっと大丈夫だろう。今、セモン達は、目の前の少年との戦いに集中しなくてはならない。彼の実力は未知数。第五階位で、最低でもレベル70を超えるというウォルギルと組んでいるのだ。彼の言葉が正しければNPC扱いの六門神とはいえ、並みの六門神とは違うだろう。事実、《六王神》は全員がNPCなのにもかかわらずあの強さだったのだ。この世界では、むしろNPCの方が強かったりもする。

「ああ、安心して。僕の階梯は四。レベルは52だよ。君たちは30代半ばの第二階位だろうから、レベル的にはそんなに変わらない」

 柔らかな物腰ではあったが、セモンはシスカープの周囲に漂う、《殺気》とでもいうべきモノの濃さを感じ取った。確信する。こいつは、強い。余裕のある態度で、殺気を周辺に放てるほど戦い慣れているという事だ。戦闘慣れの度合いで行けば、SAO時代の陰斗――――シャノンと通づるところがあるのではないだろうか。

 シスカープは続ける。

「君達がこの先に進むことを望んでいるのは知っている。だけど、簡単に通してしまうわけにも行かないんだ。だから、僕を倒していくと良い。……さぁ、来い」

 武器も持たずに、ただ自然体に構えるだけのシスカープ。《殺気》だけは強くうごめいているのに、彼が行動する様子はない。

「……一応攻めてみましょう。カズとセモンさんは攻撃を。僕とリーリュウは後方支援をします」
「了解っ!」

 ハクガのその言葉を待っていた、と言わんばかりに、カズが《ギア》である《ノートゥング》を構える。刀身に宿る赤いエフェクトライト。かつて《浮遊城アインクラッド》で、《アバランシュ》と呼ばれた両手剣用重剣技。大上段からの斬りおろしと突進の複合による重攻撃で相手を吹き飛ばし、こちらの体制を立て直す時間を稼げるその剣技は、SAO時代の大剣、すなわちは両手剣の剣技の中では最高峰の使い勝手の良さを誇った。丁度、片手剣に《ヴォーパル・ストライク》という高位剣技があったように。


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