冬の戦争
ハンシン・ユッカ
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
ていた筈です。
仮装爆撃機に改造されていた伯爵の愛機は、懸命に旋回機銃を撃ち捲りました。
思い掛けぬ必死の抵抗に遭った双発爆撃機SB-2は、本職でない為か数分後には銃撃を中止。
fw187鷹の到来を警戒した敵機は姿を消し、致命的な被弾を免れています。
双発旅客機は被弾炎上を免れますが、片方の発動機は銃撃を受け息を引き取りました。
伯爵は慣れぬ片肺飛行に挑み、ハンシン・ユッカを懸命に操り窮地を脱する事に成功。
森と湖の国に不時着し海没を免れ、戦火の下で待ち侘びる人々に貴重な補給物資を届けています。
連絡を受け撤去された旅客機用の設備、ネジ1本に至るまで総ての部品が急送されました。
伯爵の愛機は早速タンペレ修理工場に運び込まれ、飛行機の構造に精通する達人達が最優先で作業。
経験を積んだ整備員達は傷付いた機体を舐める様に調査解析、天才的な技量を発揮し修復に取り組みます。
製造元の修理工も呆れる程に精緻な寸法測定を実施、損傷箇所に適合する部品を捜索。
常軌を脱した執念と世界最高峰の技術が結集され、努力の成果が実り代替品が発見され修理交換を強行。
フォッケウルフ社から派遣された几帳面なドイツ人の技術者達も、フィンランドの天才達には脱帽です。
有能な双発旅客機ダグラスDC-2特殊改造型、ハンシン・ユッカ号は森と湖の国へ空輸を再開しています。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ