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赤城と烈風
冬の戦争
俊足の駆逐機
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中の人々に期待されていた、と言っても過言ではありません。

 フォッケ・ウルフfw187先行生産型A-0、(ファルケ)3機はフィンランド上空へと飛翔。
 森と湖の国を爆撃する為に押し寄せる敵爆撃機の大編隊に、真っ向から立ち向かいます。

 旋回戦に強い究極の複葉戦闘機ポリカルコフI-153チャイカ、(かもめ)は最高速度370km/h。
 突進力に優れ最高速度490km/hの単葉低翼ポリカルコフI-16も、(ファルケ)には及びません。


 北の(ファルケ)3機は529km/hの高速を発揮、次々に敵戦闘機の布陣を突破。
 単発のソ連戦闘機には追随不可能な双発機、フォッケ・ウルフfw187は爆弾投下前の爆撃機に猛進。

 フィンランドの街を破壊する為に爆弾を搭載、動きの鈍い爆撃機に逃れる術はありません。
 弾道直進性の高いラインメタル社製の20ミリ機銃2挺、7.92ミリ機銃4挺が火を噴きます。

 銃弾は吸い込まれる様に爆撃機へ命中、眼下の街並みを破壊する筈の爆弾を誘爆させます。
 fw187は爆発四散する爆撃機を見届ける事無く、一撃離脱に徹し敵機大編隊の只中へ再び突撃。



 追撃可能な敵機は存在せず、3機は敵戦闘機を引き離し充分な距離を取ると反転。
 再び北の(ファルケ)は突風と化し、戦闘機と爆撃機の大編隊を吹き抜けます。

 直撃弾を受け、爆発四散する爆撃機が3機。
 他にも胴体から火を噴き、煙を大量に噴出しながら高度を下げる爆撃機が数機。

 護衛のI-153チャイカ及びI-16の大群は、(ファルケ)の急襲を阻止せんと試みますが。
 高速一撃離脱戦法を固持するフォッケ・ウルフfw187には、有効な反撃が出来ません。


 動きの鈍い4発重爆ツポレフTB-3のみならず、運動性の高い双発軽爆SB-2も同様です。
 高速新鋭の双発爆撃機イリューシンDB-3もまた、鷹の襲撃を逃れる事は出来ませんでした。

 執拗に反復波状攻撃を繰り返す3機の双発単座戦闘機、フォッケ・ウルフfw187。
 確実に爆撃機数機を墜とし、戦力を削り続ける高速邀撃機を眼前に大編隊の士気は急速に低下。

 デンマークの戦士達は執念深く一撃離脱を繰り返し、敵機の大編隊は徐々に数を減らします。
 遂に『爆撃機数の減少に拠り有効な爆撃は不可能』と指揮官が判断、敵大編隊は反転。


 フォッケ・ウルフ社の開発担当者、クルト・タンク技師の思い描いた光景が実現。
 3羽の(ファルケ)が森と湖の国を護り、戦爆連合の大編隊を撃退したのです。

 デンマークの戦士達は北欧の大空に於いて、過酷な現実の戦場で性能を実証。
 フォッケ・ウルフ社の開発した試作機、双発単座戦闘機は北の空で結果を出しました。


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