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機動戦士ガンダムSEED DESTINY〜SAVIOUR〜
第三十一話 裏切り
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………」
目を閉じると今までのことが走馬灯のように駆け巡る。
それと同時にレイから聞いたあの会話が脳裏を過ぎる。
シン『これがデスティニープラン…なのか?』
レイ『お前が驚くことはないだろう。議長が目指されていた世界がどんなものかはお前も知っていたはずだ。』
シン『でも、急にこんなこと言ったって世界は大変だよ!!』
レイ『ああ…大変なことだ。議長は世界を作り変えようとしているんだからな。反発や不安から異を唱える者も現れるだろう…だが……人はもう本当に変わらなければならないんだ…でなければ救われない…!!私欲のために戦争を煽る者や、あんな…強化人間にされた子供達…こんな世界はもう…?』
シン『レイ?』
言葉が途切れたレイを不思議そうに見つめるシン。
すると…。
レイ『う…』
苦しそうな表情を浮かべるレイにシンは思わず駆け寄る。
シン『レイ…!?どうした?』
レイ『何でもない…構うな!!』
シン『でも…』
レイ『聞け…議長の言う世界の実現にはお前とアレックスの“力”が必要なんだ…だから議長はアレックスとお前に“セイバー”と“デスティニー”を託した…まだ戦いは終わっていない…この先にも辛く苦しい選択もあるだろう。だが…何が起ころうと誰が何を言おうと議長を信じろ。そうすればお前の望みは叶えられる。』
シン『うん…けど何だよいきなり?何かドラマの死んでいくオヤジみたいだぞ……』
レイ『実際俺にはもうあまり未来はない。テロメアが短いんだ…。生まれつき』
シン『は…?』
レイ『俺は…クローンだからな』
シン『!?』
その言葉にシンは一瞬、レイが何を言っているのか理解出来なくなった。
レイ『キラ・ヤマトという、夢のたった1人を作る資金のために俺達は作られた。恐らくはただ“出来る”という理由だけで…だが、その“結果”の俺は…ふっ…どうすればいいんだ……父も母もない。俺は俺を作った奴の夢など知らない。人より早く老化し、もうそう遠くなく死に至るこの身が、化学の進歩の素晴らしい結果だとも思えない…』
シン『レイ…』
レイ『もう1人の俺とも言える兄はこの運命を呪い、全てを壊そうと戦って死んだ。だが誰が悪い?誰が悪かったんだ?俺達は誰もが皆、この世界の“結果”の子だ…。だからもう全てを終わらせて変える…二度と戦争のない世界。お前は誰よりもそれを望んでいるはずだ。ならば…その未来はお前が守れ…俺達のように…家族を…仲間を…大切な人を失うような子供がもう二度と生まれないように…』
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