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星を継ぐヤマト
【03】内謁
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どうやら私は、運には見放されていないようだ。

「…貴様か。テロンからの使者と言うのは」

メルダはこのガミラスの高官の娘だったらしい。
だから戻ったときも、あれほどまでに歓迎されていたわけだ。
私としては、この好機を逃すことは出来ない。

「太陽系第三惑星、地球…あなた方の呼び方ではテロン、でしたね。
 惑星テロン、国連宇宙軍科学技術局所属、結城里華と、申します」

ここはガミラス星、帝都バレラスの軍関連施設らしい。
この星についてすぐ、私はこの部屋へと拘束された。
目の前でいぶかしげな表情を浮かべるのは、メルダの父親、ガル・ディッツ。
聞けばガミラス軍の軍事に関する最高位にあるという。
彼女の口添えで、なんとかこの場を設けてもらえた。
もちろん、彼女も同席の上で。

「何が望みだ」
「この星の総統に、拝謁願いたく参りました」
「ふざけたことを」

そう、当然受け入れられるはずがない。
私の勝負は、ここから。

「私個人の意見ではありますが、地球が最初に遭遇した異星人が、あなた方で良かったと、私は考えております」

ディッツの眉が上がる。
本当に、地球人と何もかも同じだ。

「どういう意味だ」
「そのままの意味です」
「戦端を開いたのは貴様らテロン人だが」
「えぇ。ご令嬢より伺いました」

ずっと疑問に思っていた。
もし8年前の攻撃がガミラスからの先制攻撃だとするなら、訪れた艦数が異常に少ないのだ。
地球を攻撃、占領するのが目的ならば大艦隊で来たっておかしくはない。
あれは偵察だったのだろうか、そんな風に自分なりに答えを出してはいたが。
友好の使者を地球軍が何らかの意図を持って撃破した。
そう考える方が、よほど自然だ。

「先人の非礼、彼らに代わり謝罪したく思います」
「ほぅ」

ディッツの眉がわずかに下がった。
畳み掛けるのであれば、今。

「我々としましても、一部の愚鈍な上層部の為に、同胞を攻撃するなど本意ではありません」
「…同胞、だと?」

再び上がる眉。
そして声も尖る。
メルダも同じような表情を浮かべている。
さすが親子。

「我が艦に置いて、あるガミラス人の血液よりDNA情報の調査をさせていただきました」
「それがなんだ」
「驚くべきことに、我々地球人とガミラス人は同じDNA情報を持っていると言うことが判明いたしました」

不機嫌なディッツ親子。
恐らく父親は、あるガミラス人というのが娘だということに気付いたのだろう。
彼女が頑に告げない空白の数日間が、こんな状況で明らかになってしまったのだ。

「私の専門は生物学、中でも生物の進化について研究をしております」
「これ以上くだらない話を続けるのであれば」
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