Episode4 それぞれの想い
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まくは言えないけど、戦闘がシンの思い通りに進んでいる印象が強い。キリトの時のような派手さはないが、キリトのときと同じように見入ってしまった場面がいくつもあった。
(よくわかんない人だなぁ……)
キリトのような強さはないが、大人びていて、よく周りを見ていて、やさしそうで、気配りができて、戦うのが上手で―――
(って、いつの間にか、シンのことばっか考えてるし!)
やっと、少しは落ち着いたと思ったのに、そう意識してしまうと、再び顔が熱くなっていくのが分かる。
(あたし、どうしちゃったのかな?あたしは、キリトのことが好きなのに……)
モヤモヤした感覚を吹き飛ばす為、大声で叫びたかったが、ダンジョンでそんなことしたら、モンスターを引き寄せてしまう恐れがあるから、何とか踏みとどまることができた。
(正気に戻るのよ、リズベット!あたしには、キリトっていう人がいるのよ!)
そう思うことで、再び気持ちを落ち着かせようと試みるが、逆に意識してしまって、逆効果になっていく。
(そうよ!こんな時は、別のことを考えればいいのよ!あたしは、マスタースミスよ!武器のことを考えていれば、こんなこと―――)
「―――ズさん。リズさん、聞こえていますか?」
「ふぇ!?え、あ」
「リズさん、聞いていましたか?」
「え、えーっと、何かな?」
「はぁー、ボーっとしないで下さいよ。ここで少し休憩しましょう、って聞いたのですが……」
「あっ、休憩ね!ええ、休憩しましょう!」
あたしは、シンと目を合わせないように、早足で少し距離の離れた位置に腰を下ろした。
(はぁ……。戦闘もそうだけど、こっちまで主導権握られっぱなしね……)
そう思い、少し離れた位置にいるシンのほうに目を向ける。すると、シンは立ったまま腕を組み、周囲を警戒していた。その姿を見たとき、頬がさらに熱を帯びていく感じがした。
洞窟の中に入ってから、何度か戦闘を行い、ちょうど少し休憩できそうな場所があったので、小休憩でもしようと考えた。
「リズさん、ここで少し休憩でもしませんか?」
応答がない。なにやら、考え事でもしているのか、時折頭を傾げたり、首を横に振ってみたりと、一人で色々リアクションをとっていて、傍から見ていて少し面白い。でも、いくらパーティーを組んでいるからとはいえ、周囲へ警戒を怠っているのが、火を見るよりも明らかなので、そうそうに戻ってきてもらうことにする。
「リズさん。リズさん、聞こえていますか?」
「ふぇ!?え、あ」
「リズさん、聞いていましたか?」
「え、えーっと、何かな?」
「はぁー、ボーっとしないで下さいよ。ここで少し休憩しましょう、って聞いたのですが……」
「あっ、休憩ね!ええ、休憩
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