Episode4 それぞれの想い
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ーズしている。この肌寒さなら本当に湯気が立つところをお目にかかれるかも、と思ったが残念ながら、そこまではならなかった。
「え、あ、あの……」
「リズさん、どうしたのですか?顔が赤いですよ?」
「ふぇ?うそっ!?」
リズさんは両手で顔を隠しながら、僕に背を向ける。なにやらブツブツと呟きながら、時折こちらを伺うかのように、少し振り向いては、すぐに顔を戻す。
(意地悪が過ぎたかな?)
少しだけ罪悪感を覚えつつも、いつまでも遊んでいるわけにはいかないので、足を進める。しかし、リズさんが近くにいないことに気づき、振り返ってみると、先ほどの場所から一歩も動いていなかった。その様子に、原因が分かっていながらも、ため息が出てしまう。
「リズさん、置いていきますよ!」
「えっ?ちょっ、ちょっと待ってよ〜!」
ソードアート・オンライン 〜命の軌跡〜
Episode4 それぞれの想い
あたしの隣を歩くシンと名乗る青年。最初の印象は、少し頼りなさそうな感じがした。キリトのように見た目とは裏腹に、高レベルなプレイヤーの可能性もあったが、多分レベルは、あたしよりも低いだろう。相手のステータスの詮索はマナー違反なので、直接聞きはしないでいる。
(まぁ、キリトと比べるのは可哀想だよね。っていうか、キリトを基準にすることが、そもそも間違えか……)
アインクラッドの中でもトップクラスの実力だけでなく、《二刀流》なんていうユニークスキルまで持っているデタラメなプレイヤー。って、キリトのことは、置いておいて……。
(スピード系っていう割には、それほど速くはなかったし……。実力を抑えてそうな感じもしないんだよね……)
そんなことを考えながら、最初の戦闘を思い出す。
「はぁーっ!」
三連続攻撃《ストライク・ハート》を繰り出し、モンスターを翻弄する。<スカルナイツ・ランサー>と呼ばれる二メートルくらいの骸骨の戦士は、両手槍で必死に防御しようとしているが、あたしの攻撃に追いついていない。面白いように、攻撃が命中し、相手のHPを確実に減らしていく。ソードスキル発動後の硬直時間が訪れるが、相手も体勢を崩し反撃には転じてこない。
相手が体勢を整え、突きを繰り出してくるが、あたしの硬直も解けメイスで弾き防御する。
「シン、スイッチお願い!」
「はい!」
再び、相手の体勢を崩しところで、シンとスイッチ。シンと組んで、初の戦闘だったけど、絶妙なタイミングでモンスターへ斬りかかっていく。うまく連携が取れるか心配だったが、どうやら杞憂に終わったみたいだ。少し離れた位置まで下がり、しばしシンの戦闘を眺めることにする。
「シッ!」
シンは、短い呼吸と共に、逆
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