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また夢を
第一章
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て」
 優子にしても必死にだ。玲に対して言う。
「見つけるものよ」
「だからなんだ」
「そうよ。あんたギター以外に好きなものあるの?」
「ギター以外に」
「そう。何かあるでしょ」
 こうだ。まだ玲に対して話すのだった。
「他にもね。あるわね」
「何かあったかな」
 少なくとも今の玲には思いつかなかった。沈みきっている彼には。
 それでだ。こう優子に言うのだった。
「あればいいけれど」
「本当に重症ね」
 優子は気力がなくなっている玲の返事にいささか呆れた。しかしだった。
 それでもだ。彼女もめげずに言うのだった。
「それでも。いいわね」
「いいって?」
「付き合ってあげるから。町に出るわよ」
 無理にだ。玲を連れ出しにかかったのだ。精神的に。
「今は家と学校を行き来してるだけでしょ」
「うん、実は」 
 玲は実家から大学に通っている。実家から大学が近いからだ。

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