暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第41話 桃黒戦争決着!!どうしてこうなった?
[8/18]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
ったのだ。報告を受けた私は、お父様にお願いして、信用出来る優秀な補佐官を派遣してもらった。
結果は最高だったと言える。補佐官は運営体制を上手く改善し、ドリュアス領主一家の負担を大幅に軽減して見せたのだ。当初の目論見を超え、ギルへの最高の支援になった。このおかげで、別荘に呼んでもらえるのが早まったのは、この上ない幸運だったと思う。
ギルへの支援は、私に出来る最高の事が出来たと自負している。
しかし私は、“原作知識”と言う名の禁断の果実を食べてしまっていた。それが猛毒であると気付いたのは、ギルが帰って暫くしてからの事だった。
この時私は、もっとギルに好かれる女になりたいと思い、原作の私について考えてしまった。“原作の好きなキャラ”のトップクラスに、自分の名前があったのでそれは当然の行為と言えたと思う。
しかし原作の私(ギルに出会わなかった未来の私)に、私は疑念を持ってしまった。その疑念は徐々に膨らんで行き、やがて私を戦慄させる事になったのだ。
……原作の私は、たくさんの動物達に好かれ連れていた。
この私は、人と向き合うのに疲れていたのではないだろうか? 裏表のある人間の相手に疲れ、正しく好意を示せば純粋な好意が返って来る動物に逃げたのかもしれない。
……原作の私は、ルイズとサイトの関係を助ける良き理解者だった。
ある意味において、これは事実だろう。だが、この私は2人が結ばれる事により、ルイズと自分を重ね自分を慰めていたのかもしれない。ハッキリ言えば……代償行為だ。
……ルイズとサイトを逃がす為に、跳ね橋の鎖を《錬金》で柔らかい土に変えた。
私が魔法をかけたのは、公爵家の門に使われる跳ね橋の鎖だ。当然あの鎖には、《固定化》の魔法が掛けられている。実際に確認をとってみたが、ラインクラスメイジの《固定化》が掛けられているそうだ。それを打ち破る程の《錬金》を使えば、私の体が如何なるかなど考えるまでも無い。死ななかったのが不思議なくらいだ。
……後に「お姉さんになってあげる」と言ってサイトを抱きしめた。
サイトを慰めると同時に、彼がルイズの好い人であると言う意味がある。しかしその時に、サイトと抱き合ったルイズの気分を味わおうとしていたのかもしれない。
考えれば考えるほど、本来たどる筈だった自分の未来が惨めな物に思えて来る。もちろん今の私の考えが、全くの見当外れの可能性もある。……いや、むしろその可能性の方が高いのだろう。しかし私は、今の考えが正しいと思ってしまった。
ギルを好きにならなかった自分。ギルと出会えなかった自分。それは私にとって、絶望の象徴になってしまった。そしてその絶望は、ギルと上手く行かなかったらと言う可能性にまで及んだ。
大丈夫だ。私にはギルしか居ない。
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ