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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第41話 桃黒戦争決着!!どうしてこうなった?
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目を考えておる様じゃ。

「如何すれば……如何すれば、私は捨てられない……? 私がギルを呼び出せば……」

 女がブツブツとつぶやき始める。

「ダメ。私は虚無じゃない。なら……」

 女の視線が、あり得ない事を語っておった。吾を呼び出せるメイジが、そうそうおるとは思えぬ。そしてそれは、この女も例外では無かろう。なにより吾は主以外の者と、契約する気は無いのじゃ。

「そうよ!! 私なら出来るはず」

 女は完全に正気を失っておるな。冷静にせねば話しにならぬが、この様子では吾が何を言っても逆効果じゃ。今日の所はここまでにすべきか?

「二重契約。あり得ない。でもそれ以外は……」

 また、女があり得ない事を呟きおった。視野狭窄におちいり、冷静な判断も出来なくなっておる。今日はもう話にならぬと判断し、ベッドより立ち上がった。主の言いつけではあるが、この女と共に眠る等我慢ならぬ。吾はベッドから降りて、歩こうとした。(人間の体は歩き辛い。猫の姿に戻ろうかの?)

「我が名はカトレア・イヴェット・ラ・ボーム・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール」

 四苦八苦しながら数歩進んだ所で、女の声が響いたのじゃ。

「五つの力を司るペンタゴン。我の運命(さだめ)に従いし、"使い魔"を召喚せよ」

 それがサモン・サーヴァントの呪文と気付き、止めようと振り向いた時は既に銀色の扉が現れおった。主に「カトレアに絶対に魔法を使わせないでください」と、言われておったのに不覚じゃ。

 しかし、吾は固まっている場合では無いのじゃ。女が魔法を使ったら如何なるかは、主に良く聞いておる。追い詰めたのが吾である事を考えると、こうなったのは吾の責任じゃ。早く水の秘薬を飲ませて、女の体調悪化を軽減せねばならぬ。吾は水の秘薬が入った薬箱を探して、部屋の中を見回すと……。

「なっ!!」

 吾の真後ろ……いや、先程まで向いて居た方に銀色の扉が在った。再び女の前を見ると同じ扉がある。

(あの女!! 吾を引き当てたのか!? 信じられぬ!!)

 しかし、更に吾を驚愕させる事実が存在したのじゃ。そう、それは扉に感じる感覚じゃ。吾は“ゲートに召喚者の雰囲気……イメージの様な物が映されておる”と、主に言った事がある。実際主の時に感じたのは、深い共感と暖かさじゃった。当然今回のゲートも例外ではない。

 しかしこのゲートに感じるのは、あの女のイメージであるにもかかわらず、主の時を遥かに超える共感じゃった。このまま何も考えず、ゲートをくぐってしまいたいと思うほどに。

 吾がゲートを前に呆けておると……。

 トンッ。

 突然背を押されたのじゃ。人の体に慣れぬ吾は、碌に抵抗する事も出来ずゲートに吸い込まれる。犯人が誰なのかなど言う
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