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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第41話 桃黒戦争決着!!どうしてこうなった?
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けは、強い覚悟を湛えていた。何時か見た憐れな存在と同じ目だった。この時暴君は、獲物を前に初めて動揺した。

 そして、オスが滅茶苦茶に振りまわした棒が、偶然暴君の鼻面に当たった。暴君はそこで正気に戻ったが、もう食事をする気分ではなかった。

 巣に帰った暴君は理解してしまった。……暴君は孤独だったのだ。

 孤独は知ってしまった者にとって、孤独は虚毒(こどく)となる。心を侵し蝕む猛毒だ。

 その毒に耐えられなくなった暴君は、自らの力を分かち仔を生む事にした。分かたれた力は、火・水・土・風のそれぞれ言の葉を操る竜へと転じた。

 こうして暴君は母となったのだ。

 母に見守られ、仔は育ち新たな仔を産み一族となった。

 そして母は、力を分けた事により完全な存在ではなくなっていた。老いるはずの無い身体は老い、朽ちるはずの無い姿は朽ちて行った。そしてその先に待っているのは、……死だった。

 多くの仔に見守られ、かつて暴君と呼ばれた竜は息を引き取った。最後に母が仔達に望んだのは、火・水・土・風の一族の短所を補い合い、末長く幸せに暮らしてほしいと言う物だった。

 しかし仔達は、母の願いを裏切る事になってしまう。母と言う統率者を無くし、性質の違いから一族毎に分かれ争いを始めてしまったのだ。

 この争いを良しとしない者達は、争いを止める為の手段を考えた。そして行きついたのは、母の代わりになる者を作り出す事だった。四種族が母から分かたれた力から生まれたなら、四種族全ての混血は母と同じ存在と考えたのだ。

 しかし生まれた仔は、母の色である純白では無く漆黒だった。

 竜達はこの仔を最後の希望としていただけに、その絶望は大きかった。争いは止められるものでなくなり、多くの竜達の血が流れた。そしてこの歴史は、竜達の間で忌避され忘れ去られた。



 気が付いたら吾は1人だけじゃった。

 頼るべき親も……身内と呼べるものも存在しなかった。

 本来なら生きて行けずに、死をむかえるのが自然な事だったのじゃろう。しかし吾は、自らの生まれの秘密と生きる為の最低限の知識を、既に知っておった。これは吾の親が、精霊を介し吾に授けた物の様じゃ。その親も吾を逃がす為に、もはや生きていないのじゃろう。

 吾の生まれの秘密を考えれば、同族に見つかればただで済むとは思えぬ。しかし吾の漆黒の鱗は目立ち過ぎる。何かに《変化》するのが良いじゃろう。そこで吾は、最初に森で見かけた猫に化ける事にしたのじゃ。

 最初の数年間は飢えとの戦いじゃった。この身は本来韻竜じゃ。当然、存在感は半端ではない。少しでも気を抜けば、獲物に存在を感づかれ狩りは失敗じゃ。当然吾は腹を空かせ、食べられる実やキノコ等で飢えをしのいでおった。この時ほど、
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