憎悪との対峙
20 誕生の理由
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でなく、アイリスのスリープモードも解除した。
「あなたは...?」
『私は...』
初めてハートレスと会ったアイリスは少し控えめな声で言った。
だがすぐさま2人は気づいた。
『兄さん...まさか!?』
「そういうこと。シンクロナイザーはジャックとクインティアを倒して、この施設を飛び出して1人Valkyrieと戦いに行ったわ」
『そんな...サイトくん...』
ハートレスは言うべきではなかったことを何となく悟り、首をひねってため息をつくと再びキーボードを叩き始めた。
だがこれ以上の情報は望めなかった。
インターネットシがダウンしている現在では、彩斗が得た情報のヘッダーの詳細を開こうとしても接続エラーの警告が表示されるばかりだった。
「....これは...」
彩斗のLinuxコンソールは今まで見たことのないコマンドやあらゆる言語で書かれたプログラムが実行された出力結果が羅列られていた。。
もはや言葉の魔術にも等しい。
デスクトップの壁紙には青い海のような青のグラデーション、右上に鮫のエンブレム。
これらはハートレスの中の1つの疑問を解決させるに至った。
「メリー、今まで隠していたみたいだけど、この鮫のエンブレム、大量の脆弱性攻撃ライブラリ....あの子が『シャーク』の正体だったのね?」
『...ハイ』
今までも彩斗の部屋からは謎の通信歴が残っていることがあった。
海外のプロクシサーバーに接続された痕跡からそれを削除しようとした痕跡。
そんなことをする必要があるとすれば、その者はクラッカーなどの少数の人間に限られる。
そもそも彩斗がどのようにしてValkyrieの動向を掴んだのか。
それはディーラーのシステムを使っても限界がある。
しかしCIAやWAXAのような諜報機関のシステムなら話は別だ。
そこに侵入するとすれば並大抵のクラッカーではない。
そしてそのクラッカーのコードネーム。
ユーザー名とホスト名は『shark@ws-hpe』。
「エクスプロイトにバックドア、ターゲット特定プログラム...呆れた。まさかシャークの財産とも言える武器庫が私の買ってあげたこのPCだったなんてね」
『....そんなことより、兄さんの居場所は!?』
『きっとプライムタウンじゃ...この通信ログの通りなら?』
ハートレスは皮肉に感じていた。
このPCは5年前に自分が買い与えたものだった。
あの頃の彩斗は完全に抜け殻だった。
今思えば、その頃から仲間はずれにされ、不条理な暴力で幼く純真な心が傷つけられていたのだろう。
なぜ自分が嫌われ苦しまなければならないのかという疑問を自問自答し続け、現実を直視できなくなっていた。
ハートレスは同じ施設の子供達との交流の様子から彩斗は孤立しやす
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