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レースへ向けて
2部分:第二章
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事実だった。しかしだった。
「だが宮城君、そして俺が無事ならだ」
「やっていけるんですね、それで」
「大丈夫なんですか」
「そうだ。だからいい」
 腕を組み冷静そのものの口調で述べてだった。
 来栖はまずは宮城に精密検査を受けさせた。検査の結果彼に異常はなかった。ヘルメットのお陰で頭部にもダメージはなく少しばかりかすり傷を負っただけだった。
 だが、だった。バイクは完全に壊れていた。しかしである。

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