第一章
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第一章
HEATS
今まさにだ。彼等は戦場に赴こうとしていた。
ロンドンに一機のジェット機が向かっている。その中でだ。
彼等は満面の、確かな笑みを浮かべて話していた。
「いよいよだよな」
「そうだな。はじまるな」
「この時をどれだけ待ったか」
「それがやっと来たよ」
ロンドンで行われることをだ。今から楽しみにしていた。
そしてそのうえでだ。彼等はだ。
さらにだ。こんなことを話した。
「自信あるよな、皆」
「ない筈がないだろ」
「ここに来るまでにどれだけ苦労してきたか」
「駄目かもとも思ったわよ」
「けれどそれでもここまで来たんだ」
「それなら」
ロンドンまで来られた。それならばだというのだ。
彼等も自信があった。それも確かな自信がだ。その自信を胸にしてそのうえでロンドンに向かっていた。世界の猛者達が集るその戦場にだ。
戦場に向かいながらだ。一人が言った。
「皆期待してるよな」
「そうだよな。日本で俺達の活躍をな」
「期待して見ていてくれてるぜ」
「メダル、そして」
「敢闘をな」
ただメダルを手に入れるだけではなかった。その他にだ。
その戦う姿を観たい、それもまった。そうしたことをだ。
彼等もわかっていた。そしてそのうえで戦場に赴くのだった。
そのうえでロンドンに向かいそうしてだ。その街に着いた。霧の都は今は戦場だった。何処もかしこもその戦場の赴きだった。その中に入ったのだ。
早速トレーニングを続けながらだ。開会式を待っていた。その開会式においてだ。
彼等が入場するとだ。祖国から歓声が起こった。早速だ。
「よし、来たぞ!」
「日本だ!」
「日本の選手団だ!」
「遂に来たぞ!」
「頑張れよ!」
ネットの掲示板や実況の画像にだ。次々に書き込みが入った。そこには個々の選手達への応援も入った。笑顔で入場を拍手に迎えられる彼等に。
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