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Shangri-La...
第一部 学園都市篇
第1章 虚空爆破事件
七月十八日:『坊主憎けりゃ袈裟まで憎い』
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な感想を口にした。少なくとも『()()()()()|て《・、()()()()()()』のだから、嚆矢からすれば無条件に礼賛すべき人物である。
 と、先程から咳を繰り返しつつ携帯端末を操作していた飾利が顔を上げた。

「けほ、だからって、怪我しちゃダメですよ。それで自分は満足かもしれませんけど……それをやられた方は、気にするんですから」
「んー、情況次第かな。まぁ、何にしても見倣わないといけない振る舞いだ」

 それはどちらも、明らかに『経験者』の言葉。軽く怒られてしまうが、こちらにも男としての矜持がある。何より、『誓約(ゲッシュ)』もある。何れにしても、後塵を拝し続ける訳にもいかない。
 既に十人近くの風紀委員が、件の能力者により病院送りにされている。死人が出ていないのがせめてもの救いだろうか。

「にしても、『重力子の数じゃなくて速度を急激に増加させて、アルミを爆発させる能力』か……ハハ、説明されたけどほぼ仕組みが解らん。錬金術的な考え方でオーケーなのかい、白井ちゃん? それなら、少しはかじったんだが」
「れっきとした科学ですの……それと、いきなり厨二病のカミングアウトはお止めくださいます?」

 つかつかと肩を怒らせたまま、不機嫌そうに歩く黒子に探り探り話しかけるも、にべもなく一蹴された。
 寧ろ、一層機嫌が悪くなったようだ。嚆矢は『アレ?』と、首を傾げて。

「……なぁ、初春ちゃん。白井ちゃん、妙にカリカリしてないか?」
「あっ、えっと……実は白井さん、今日は御坂さんと放課後に約束してたみたいで……」
「なるほど、さぁ今からってトコに俺から呼び出しが来た訳だ」

 と、マスクをして軽く咳をする飾利に耳打てば、ネタバラシ。確かに、『お姉様ラヴ』の黒子にとっては逢瀬を邪魔された気分だろう。
 ……実のところ約束などはなく、一方的に押し掛けようとしていたとは、二人の知るところではない。

――うーむ、初日からこんな事でギクシャクはしたくないしな……さて、白井ちゃんの歓心を買えて、尚且つ俺の株も上がるような話をしないと。

 脳味噌をフル回転させ、そんな話題がないか記憶を漁る。結果――

「ゴメンな、白井ちゃん……代わりと言っちゃなんだけど、俺と御坂の出会いについて語ろうか?」
「…………」

 結果、御坂の話をする事にした。黒子は、それにピクリと一瞬身を震わせて。

「……聞くだけ聞きますわ」
(よし、マジでチョロいわー、この娘。先輩、君の将来が心配になっちまうぜ)

 不承不承といった具合を装い、寄ってきた黒子。狙い通り、余りにも分かりやすい針に食らい付いてきた彼女に苦笑いする。

「知っての通り、出会ったのは去年の大
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