暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
As 14 「闇の書の意思」
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に防御魔法を展開する。
 爆発が生じた直後、爆発の威力に見合った量の煙が立ち込め始める。それを眼前で見るようにしながら後方へ下がり、高度を上げて行った。飛行スピードが劣っている高町は、バリアジャケットをパージしたテスタロッサが引っ張ったことで回避できたようだ。

「……主や騎士達が愛した少年、ここから立ち去ってくれ」
「断る。俺ははやてを……いや、はやてだけじゃない。シグナム達――」

 彼女はこれまでに何度も主を失ってきている。闇の書が完成してしまったら全てが終わる、主を救ってやれないという呪縛に囚われているはずだ。これは変わることがない事実なのかもしれない。だが変えられる可能性だってあるはずだ。

「――そして、お前のことも助けてやりたい。だから何度立ち去るように言われても、俺の答えは変わらない」

 視線は重なったままだが、沈黙が流れ始める。高町やテスタロッサも俺と同じように様々な想いを抱いているはずだが、俺に任せてくれているのか黙ったままだ。
 彼女の返事を待っていると突如道路がひび割れ始める。街中の至るところが隆起し、岩の柱のようになっていく。その光景はまるで

「崩壊が始まったか」
「なっ……」
「私も直に意識を無くす。そうなればナハトがすぐに暴走を始める……少年、これが最後だ。ここから立ち去れ」
「さっき言ったはずだ。はやて達やお前を助けると!」
「……ならば仕方がない。私は意識がある内に主や騎士達の望みを叶えたい。お前が邪魔するというのなら容赦しない」

 管制人格が手を伸ばすと、それに従うかのように闇の書が開く。不気味な色の魔力弾が20以上生成される。
 ――頑固者だな……だが俺も自分の意思を曲げるつもりはない!
 素早くカートリッジを装填しなおし、すぐさま3発リロードする。剣の形状が、より洗練されている肉厚な片手両刃直剣へと変化。それと同時進行で、新たな剣が形成され始める。
 刀身部分は薄く、レイピアほどではないが細い。刃の色は右手の剣とは対照的に純白であり、眩い光を放っている。柄の部分は青味がかった銀色をしており、簡潔にこの剣を表現するなら『やや華奢で美しい剣』といったものになるだろう。
 二振りの剣を握り締めた俺は、テスタロッサに教えてもらった高速移動魔法を使用して管制人格へと向かっていく。それとほぼ同時に、彼女はこちら目掛けて魔力弾を放ち始めた。

「う……おおぉぉ――――ッ!」

 テスタロッサほどの機動力がない俺では、飛来してくる魔力弾を避けることはできない。両手の剣に魔力を纏わせ、進行の邪魔になる魔力弾を斬り裂く。
 左腕を前に突き出し、右の剣を肩の高さで構えて限界まで引き絞る。刀身に纏っていた魔力が弾けたかと思うと、灼熱の炎へと変化した。
 それを目撃した管制人格は、
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