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少年と女神の物語
『地を揺らす大蛇』編
第五十九話
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面倒でしかない。

「では、気を抜かせてもらいます。師父からの伝言です。『わが国の英雄でありながら倭人に飼われている畜生を断罪するゆえ、そちらへ赴く』と」
「ああ・・・へぇ、面白いことをやろうとしてるんだな。にしても、あそこにそんなビッグネームな神が・・・」
「あの・・・師父から、このことについて話すな、といわれているのですが・・・」

 鷹化が分かりやすく困った顔をしている。

「悪いな、知られたくなかったら俺の同類になるか、そこの陰に隠れてるやつの同類になるしかないぞ」

 俺がそう言いながら建物の影になっているところを睨みつけると、そこから薄みがかった紫の髪の少女が出てくる。

「はぁ・・・まあ、大丈夫でしょう。僕は何も言ってない」
「確かにな。にしても・・・ふぅん・・・また大胆なことをしたな。あれでも、日本の四家の一角、そこの次期党首の体を乗っ取るなんて・・・」
「スイマセン、そろそろ本気でやめてくれません?作戦の全貌がバレてそうで怖いんですけど」
「大丈夫だ。全部筒抜けだから」

 そういった瞬間に構えた少女を、鷹化が手振りで止める。

「姐さん、それはやめておいたほうがいい。この人は神殺しになってたったの二年で十の神を殺してる。その中には鋼の神様もいるんだ。ここで姐さんにしなれたら、作戦が全部台無しになるから」
「小僧・・・妾が、こんな若輩に負けると?」
「ああ、負ける。この人は、師父にすら勝った人だからね」

 そう言いながら、鷹化は俺のほうに顔を向ける。

「で、どうするつもりですか?邪魔をされると、かなり困るんですけど」
「そうだな・・・個人的には、アテのためにも英雄の復活は全力で防ぎたいところだな」
「では・・・」
「でも、」

 俺は鷹化の言葉を遮って、話をする。

「そんな事をして翠蓮が俺のほうに来るのは、より面倒だ。ってことで、被害がない限りは傍観しとくよ」
「・・・ありがとうございます」
「いいよ、気にしなくて。邪魔になったり戦いたい気分になったら、遠慮なく潰しに行くんだから」
「そうならないことを、心から祈ります」

 祈るなんてたちじゃないだろ、そう言いたくなったが、それはいえなかった。
 なぜなら・・・

「っと、またか。これで今月何回目だ?」
「そんなに多いんですか、地震?」
「ああ、多いな。何かあるのか・・・?」

 そう、地震。
 ここ最近、日本全土で異常なほど頻繁に起こっていて、連日ニュースにもなっている。

「・・・ま、毎回震度は小さいんだけどな。いつ規模がでかくなるかは分からないけど、当分の間は気にしなくてもいいだろう、見たいなことをニュースでは言ってた」
「なんだか、一切信じていないみたいな口ぶりですね」

 鷹
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