DAO:ジ・アリス・レプリカ〜神々の饗宴〜
第二十四話
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。そして、みんなのための、チャンスを作る。
誰かを救うために、この剣はあるのだと。誰かを守るために、この剣はあるのだと。
それは、英雄たちが、今わの際に気付いたという、《戦い》の真理だったのかもしれない。
「……あーあ。ちょっとつまんないかな」
冷やかに、あくまでも冷やかに、その声がこだまする。
幼さ、愉快さ、無邪気さの中に、ちらちらと見え隠れする《虚無》。それが、リ・エリューラの『底無しの光』の本質。全てを飲み込み、消滅させてしまう、白い《虚無》。
「残念。もっといろいろ楽しめると思ってたのに――――――《メタトロン》、《祝福の光》」
三度なるたびに、聖なるかな―――――
輝きが三度、瞬く。
「セモン!!」
誰かが叫んで、地を蹴る音がきこえた。
そして世界は色を失う。
***
「う……?」
セモンは全身の痺れをこらえながら、眼をあける。そして周囲を見回し、瞠目する。
世界の全てが、終わってしまったのではないかと思った。それほどまでに、《六王神》の《ギア》がもたらした破壊は強力すぎた。
八枚の輝く翼をもった天使が、神罰の光を再び纏う。
黄金の焔を吹き出す聖巨兵が、神罰の炎を再び纏う。
黄昏と暁を従えた神造宝具が、神罰の風を再び纏う。
彼らの神威がもう一度放たれれば、今度こそ自分たちはまっさらに掻き消えてしまうだろう。
これが――――世界を掌握する神々の力。それも彼らにとっては、一切の本気ですらない、児戯でしかないのだ。悪夢、としか形容の使用がない。誰だ、神の祝福は光輝だ、などといったのは。
これでは、唯の《神罰》ではないか―――――
そして何より、セモンの目の前でたたずむ、一つの黒い影。雄々しく輝いていたはずのその鎧はすでに艶のない黒へと炭化し、体中のあちこちが焼け焦げ、左腕に至っては失われている。すでにその血は蒸発し、傷口から鮮血は流れ出てこない。
《六王神》を除く《六門神》では最強の、伝説の《イフリート》を受け継いだアカウントを有する男は、ただ、そこに立っていた。セモンを守るために。
「……明兄!!」
千場明人……ラーヴェイの四肢が、淡い光となって爆散する。それは、SAOで見たプレイヤーの消滅現象や、ALOでみたエンドフレイムとよく似ていた。
「プレイヤーの死亡現象……これでしばらくの間、ログインしてこれない……」
コクトもまた、特徴であったフードやコートの一部、着物の裾は焼けている。ただ、兎耳と本体は完全に無傷である。
「だからなんで師匠は無傷
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