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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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ロチンを防ぐように。
『……………vnk.da?』
何をしているのか理解できない、という風に首を傾げる黒衣の少年に、紅衣の少年は微笑みかけた。これ以上ないくらいに不敵な、そんな笑みを。
溢れ出るのは咆哮。
「闇よッッ!!」
次の瞬間、視界が満面の黒に塗りつぶされた。
バフォッ!という音とともに、顔面を風が乱暴に叩いた。
あの竜巻のようなギロチンがついに薙ぎ払われたのかと体が硬直するが、しかしそれにしてはおかしい。あまりに顔に当たる風がソフトすぎる。これでは、ジェットコースターに乗っている時に感じる風と同じくらいなのではなかろうか。
そう思い、ルナと呼ばれる少女はおそるそる目を開いた。
そして――――
「な、なにこれ!?」
「あ、気がついた?」
のんきな声でそう言い放った少年の声に、しかしルナと呼ばれる少女は返事を返すことができなかった。
当たり前だ。
目覚めたら、雲海の一歩手前くらいの遥か上空を、ジャンボジェット機もかくやという超スピードで移動しているなんてことは夢にも思わなかったのである。
「…………レン君、君は何をしてるのかな?」
冷静に、きわめて冷静で冷え切った声とともに、少女は少年に問う。その声と顔に滲み出る冷笑が、紅衣の猫妖精の内心を震え上がらせていることにルナは気づかない。
しかしそんなルナの様子など歯牙にもかけない様子を演じて、幼い少年は言う。
簡潔に、言った。
「逃げるんだよ」
「…………………………………」
「状況がおかしすぎる。いったん退いて、態勢を整えたほうがいいと思うんだ」
冷静なその言葉に、少女の脳はようやくパニックから脱し、正常なギアの回転を取り戻していった。
かつて、あの鋼鉄の魔城にて参謀長を務めていたころの、あの頭脳を。
「……………どこに、行くの?」
「僕の家。たぶん、半端なトコに逃げ込むよりも、幾分かはマシなはずさ」
ちっとも自慢げに言わない少年を見ていれば、その彼所有のプレイヤーホームでも、アレを足止めするには自信がないということの表れであろう。
そこで少女は首を巡らせて振り返る。
もう薄れ掛けている首都、イグドラシル・シティには、街全体を包み込むかのような《闇》が出現していた。おそらく煙幕みたいなものであろうそれは、周りの空間をジワリ、ジワリと侵食していくかのように、徐々に膨らんでいる。
「あれも、君が?」
「うん、気休めにしかならないと思うけど」
そう言う彼の頬には、玉の汗が滲んでいた。
きっと、それほどの力だったのだろう。アレは、もはや人間が介入していいレベルのものではなかった。
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