4.再会
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ベルベットルームに?あの時イゴールさんは、私の旅路は終着点に着いたって言ってましたよね。なら、私はもうベルベットルームには来れないんじゃないですか?」
「確かに。お客人は、自身の持つ可能性の力《ワイルド》を昇華させ、命の答えとして《ユニバース》という、一つの力の頂まで到達いたした。ですが、今のお客人の持つ力は《ユニバース》ではなく、《ワイルド》なのです」
「《ワイルド》に?」
「さよう。お客人はあの後、御自身がどの様な道を選ばれたか憶えておりますかな?」
イゴールの言葉に、彼女は居住まいを正して頷く。
「はい。私は、人の無意識がニュクスに届かない様、封じてたはずです」
「ええ。お客人は《ユニバース》の力で60憶を超える、人が無意識に持つ死への興味、願望がニュクスへ到達するのを阻んでらした。そして、それは現在も続いているのです」
「………はい?」
「信じられないかもしれませんが、今の貴女は封印を成している《ユニバース》から分離したした魂が空となっていた本体の器に戻ってらした状態なのでございます」
「えーと、つまり《ユニバース》の力を失なった変わりに、封印から自由になったんだよね?でも、弱くなったりしてる感じはしないけど……」
「肉体面ではそうでしょうな。ですが、ペルソナ能力はどうでしょう?」
「えっ?ペルソナも、あの時と全く同じですけど……」
「論より証拠。実際にペルソナを喚んでみたらよろしいかと」
「ペルソナを喚ぶって、ここで?」
「ええ。どうぞ遠慮なさらず、ぐいっと」
彼女はイゴールの方を見て確認を取ると、軽く頷かれたので、躊躇いがちに召喚器をこめかみに当て、
「《メサイア》ッ!!…………あれ?」
いつもの様に引き金を引きペルソナを出そうとしたが、いつまで経ってもペルソナは出てくる気配がない。
「な、なんで……?」
「申し上げた通り、お客人は力と魂が分離なされた。今、お客人が持つペルソナ能力は初めてここを訪れた時程とは申さずとも、大差は無い程度の力しかお持ちにならない。それでは、現在お客人が宿すペルソナを引き出す事は叶わぬでしょうな」
「えー、だとしたら、今の私はどの程度のペルソナなら使えるんでしょう?」
「そうですなぁ、エリザベス」
「はい、主。では、こちらをご覧下さいませ」
エリザベスが小脇に持っていた本を彼女に手渡してくる。
「ペルソナ全書?」
今までは必要な時にエリザベスがその中にあるペルソナカードをイゴールに手渡しており、直接手渡されるのは初めてだった。
せっかく渡されたのだからと、ページを捲り見ていくとおかしな点に気付いた。
「ここからのペルソナカードが、何か薄黒いというか暗いというか
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