暁 〜小説投稿サイト〜
星を継ぐヤマト
【01】星の海
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採取した動植物のサンプルたちだ。

「早く」

白衣を羽織るのが、消毒の為に手を念入りに洗うのが、もどかしい。
私は緊張から震えそうになる指先に力を込め、彼女の血液を慎重に容器へと移した。
一際大きな機械にそれをセットし、イスへと腰を開ける。
結果が出るまで、どのくらいかかるだろうか。
もしも私の予想が正しければ、1時間後には、それが判明するだろう。
それまでに、アナライザーを見つけないと。
私は無意識に、天井を仰いでいた。
祈るように組んだ指を口元へと近づける。

「お願いだから………」

お願いだから?その先の言葉は?
早く結果が出ますように?
ガミラスのことが分かりますように?

いいえ、違う
どうか、どうか

間違いで、ありますように。










「アナライザー、どう?」
『多少ノ差異ハ見受ケラレマスガ誤差ノ範囲内デス』
「…そう」

きっかり1時間後、機械は検査終了を知らせた。
そして3時間かけて、アナライザーとともに結果を解析にかける。
何度やっても、結果は同じだった。

「やっぱり…」

私は床にしゃがみ込んでしまった。
気が抜けてしまったせいか、力が入らない。
デスクに背を預け、プリントで顔を隠す。

そう。
私の願い虚しく、検査結果は『全て正確』だった。
それが何を意味するのか。
恐らくは、多くの人々が受け入れがたい真実。

『里華サン』
「…ありがとう、アナライザー。残りは私がやるわ」
『結果ト解釈ハ』
「…導きだせる結論なんて、1つでしょ」

その為に、わざわざ昔の古い論文のデータまで引っ張りだしてきたのだから。
私は白衣のポケットへと手をつっこんだ。

『ココハ禁煙デス』
「固いこと言わないで」

ライターさえも上手く付けられない程、震える指先。
私は諦めて、煙草を口にくわえるだけでよしとした。

「アナライザー、ガミラス人の尋問、どこでやってんの」
『古代サンガ営倉デヤッテイマス』
「ありがとう」

確かめなければ。
それからでも、遅くはないはずだ。
私は火のついていない煙草を放り投げて、営倉のある区画へと向かった。
入り口には、保安部が数人。銃を構えて待機している。

「ここは現在立ち入り禁止です」
「彼女の検査結果について、彼女自身の口から確認したいことがあります」
「しかし許可は」

タイミングよく扉が開き、弟くんが中から出てきた。
どうやら尋問は一段落したようだ。

「なにをしている」
「彼女が、ガミラス人に会わせろと」
「メルダに?」

困り顔の弟くん。
しかし、引くわけにもいかない。

「誰の許可があればいいの。佐渡先生?副長?それとも
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