第十一章 追憶の二重奏
第六話 咆哮
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だが、決して人間ではなかった。
人間であってはならなかった。
人間であるはずがなかった。
例え人と同じ五体があったとしても。
例え人と同じく服を着ていたとしても。
人間の目はそんな血のように紅くはない。
人間の肌はそのように鈍色ではない。
―――何よりも……人がこのような禍々しい気配を放つ筈がない。
ソレは柩からコロシアムへと降り立つ。
顔は力なく垂れており、つばの広い羽帽子に隠されどのような表情を浮かべているのかは分からない。
ソレは両手をゆっくりと広げると、同じようにゆっくりと顔を上げる。
まるで狼が夜の空に浮かぶ満月を見上げるかのように顔を上げたソレは、狼と同じく―――
「■■aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa―――ッ!!!!!!」
―――吠えた。
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