第一章
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女の子?」
「はい?」
「ピザ頼んでまだ三十秒だよ。来るの早いね」
こう妙子に尋ねてきたのである。
「しかもセーラー服の制服って。売り上げをあげるのも大変だね」
「あの、私は」
「それでピザは何処?」
視点の定まらない、ぼうっとした目で妙子を見ながらさらに話してきた。
「何処にあるのかな」
「あの、私実は」
妙はだ。その男に恐る恐る言うのであった。右手にぬいぐるみを抱きながら。
「渡部妙っていいまして」
「渡部?渡部さんって?」
「今日からこちらにお邪魔することになったんですけれど」
かなり引きながらだ。男に対して言った。
「御話聞いてますよね」
「ああ、そういえば」
ここで男はわかったという声を出した。
「孤児院から姪が来るんだったっけ。じゃあ君が?」
「はい、お母さんのお兄さんですよね」
「一応そうだよ」
これまたよくわからない返答であった。
「ああ、紀代美の娘ね」
「はい、そうです」
その通りだと答える妙子だった。
「今日からお世話になります」
「うん。じゃああがって」
男はぼうっとした顔のまま再び述べた。
「ちょっと散らかってるけれどね」
「わかりました。それじゃあ」
こうしてだ。妙子は叔父さんの家にはじめて入った。するとそこは。
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