IS学園に潜む者
[1/4]
前書き [1]次 最後 [2]次話
―――IS学園への潜入任務
それを最初に言われた時、俺は複雑な気持ちになった。俺は産まれてこの方学校というものに通ったことが無く、それどころかずっと裏社会で生活してきた身だ…。
そんな俺に世界に名だたる重要施設とはいえ、今更になって普通(?)の女子高ともいえるあの場所へ行けとはどういうことなのだろうか…?
「……まぁ、いいや。結局は任務。何はともあれ行ってきますかねぇ…」
そうとも、所詮は任務だ。俺は上司の命令を聞き、ただそれに従って行動するのみ。例えその内容が『IS学園に潜入して織斑一夏の情報を手に入れてこい』だったとしてもだ…。
「そんじゃ精々楽しませてもらいましょうか、学生デビューを…!!」
だが、この時俺は失念していた。
―――『織斑一夏』と違ってISを起動できるわけじゃない俺がこの任務を任された理由を…
―――上司が『IS学園に潜入して〜』とは言ったが『学生として』とは言ってなかったことを…
◆◇◆◇◆◇◆◇
『あら?機嫌は悪いようね…?』
「……当たり前でしょう。ていうか何度も言わせないでくださいよ、姉御…」
ISを起動できないくせに『潜入任務=IS学園入学』とか考えていた先日の俺をブン殴ってやりたくなった。今俺が居るのはIS学園の施設内に無理やり作った隠し部屋である。消火栓の奥をくり抜き、大穴を開けて普通の部屋一つ分のスペースを確保した、まさに秘密の部屋と言ったところか…。
そう、俺はガチの不法侵入と不法滞在による潜入任務を行っている。学生どころか職員としてでも無い、ただの不法侵入者だ。学校の関係者に見つかったら一発でアウトの…。
「ぶっちゃけデュノア社の男装娘よりハードだと思うんですけど…?」
『そう言う割には、任務開始から既に三ヶ月も経ってるわよ?』
その言葉の通り、気が付いた頃には世間は夏休みの一歩手前。この三ヶ月間、監視対象である織斑一夏を中心に様々なことが起きた…。
―――あの朴念仁野郎が篠ノ之束の妹と同室になったり…
―――イギリスの代表候補生と決闘して善戦してたり…
―――中国の代表候補生と共闘して篠ノ之束が送りつけてきた無人機と戦ってたり…
―――デュノア社と黒兎隊から転入生が来たり…
―――デュノア社の御曹司はホモかと思ったら女の子だったり…
―――黒兎隊のISに搭載されていたVTシステムが暴走したり…
―――そして何より、あの病的鈍感男子に関わった女子全員が奴に惚れとる…
「……あの無自覚ハーレム野郎がぁ…」
『…大丈夫かしら?』
「大丈夫なわ
前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ