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SAO−銀ノ月−
第三話
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を最後に、リザードマンたちの攻撃は俺を貫いた。








…と、思った。

「あれ?」

自分の身体を見てみると、最初にやられたところ以外はどこも無事だった。

それどころか、俺はリザードマン三体の後ろに回っていた。

確かに、俺にはそんなことが出来る。

『現実世界』では。

<縮地>と呼ばれる移動方法で、瞬時に相手の間合いを詰めたり、相手の死角に跳ぶ移動方法。

試しにもう一回やってみる事にする。

ヒュッ!

聞き慣れた風切り音がして、俺は再びリザードマン三体の死角に回っていた。

リザードマン三体は反応出来ず、まださっきいたところを見つめている。

「なんだ。そういうことか。茅場の馬鹿野郎…」

その声に反応したか、リザードマン三体が一斉に後ろを振り向く。

「邪魔だ。」

刀を一回鞘に納め、素早く斬りつける!

「抜刀術《十六夜》」

鞘から放たれた稲妻のような剣閃は、いとも容易くリザードマン三体を切り裂いて、消滅させる。

「生き残った、か。」

ショウキが考える茅場の考えはこうだ。

まず、俺のナーヴギアに細工をしておき、戦闘用システムアシストを使えないようにしておく。
代わりに普段からショウキが使っている剣術を使えるように細工をした。

「何考えてんだか…」

「ショウキ!大丈夫か!?」

あっちも三体片付けたようなので、回復用ポーションを飲みながらキリトの元へ歩いていった。



−ショウキは当然知らないことだが、このデスゲーム、<ソード・アート・オンライン>は『レベル制MMORPG』と呼ばれるレベル差が絶対の強さであるゲームだ。

しかし、今のショウキはシステムアシストが使えないため、自らの剣術・胴体視力を頼りに戦う。
それはいわゆる
『スキル制MMORPG』
の戦い方だ。

ショウキは、このデスゲームの中、一人だげ別のシステムでプレイしているのだ。

茅場晶彦が仕掛けた
『バグ』であるショウキがSAOで何をするのかは、まだ誰にも分からない…
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