暁 〜小説投稿サイト〜
闇夜の兵士達 〜戦争の交響曲〜
第1部
第1楽章 内乱
第3話 光の弓矢
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兵士が居た。

「第1301部隊のb-01分遣隊の山田絢一等軍曹だ。本隊は後から続ている」
「お待ちしていました。ストーン5-6の本村弘人兵長です。指揮所が迫撃砲で吹き飛ばされて交信できませんでした。急いでください、そろそろ敵が来ます」
「わかった。b-01、こちら01a。ストーン5-6と合流した。間もなく敵の攻勢が始まると予想される。大至急だ」
【了解した、01a。こちらは進路が瓦礫で塞がっていた為に迂回する。それまで持ちこたえろ】
「来るぞ、迫撃砲だ?」
「ッ!?
 01aアウト!」

迫撃砲弾の唸りと共に空気が張り詰めた。

「急げ急げ!
 建物の中に入るんだ?」

 兵士たちと共に絢は建物の中に雪崩れ込んだ。爆発とともに体の中に震動が響く。砂煙が舞い、肺に入る。

「ゲホッゲホッ……全員無事か!?」
「口の中がじゃりじゃりしますが無事です……」

 その時、奥の部屋から兵士がこちらに飛び込んできてこう言った。

「敵だ。準備しろ!」

 兵士たちは立ち上がり部屋の外へと出ていく。

「行くぞ、仁野、篠宮」
「はい!
 って、優奈?」

 絢と冬香が振り返ると優奈が腰を擦って座り込んでいた。

「どうした、腰でも抜かしたか?」
「みたいですね。やっぱり、この子は頭のねじが抜けてるから、しょうがないと思います」
「お前もそう思うか……。今度、野戦病院に連れてくべきだと思うか?」
「そこまでする必要はないのでは?
 私と彼女は長い事付き合っていますけど、昔っからこんな子なので、もうどうしようにも無いと思います。簡単に言えば手遅れです」
「二人とも冷静に話し合ってないで助けてくださいよ!」
「ああ、わかったわかった」

 絢はそう言うと、優奈の手を掴み、引き上げ、彼女の頭をコン、と叩いた。

「今度から気を付けろよ」
「イエッサー……」
「さぁ、征くぞ!」

 絢はそう言うと建物の奥へと進む。あちらこちらで兵士が応戦している。壁に小さな穴を穿いた簡易的な銃眼だ。こちらは隠れていない敵を容易に撃つ事ができるが、敵の銃弾は壁に阻まれる。もっとも、敵も同じような事をしており、壁に穴をあけて新たな通路を作ったりもしている。
 絢は建物を出て建物と建物の間にできた瓦礫の山を盾に身を隠す。どうやら絢たちが来る前からそこは銃座として使われていたようで砂袋が設置してある。銃身を砂袋の上において依託射撃するためだ。
 冬香は建物の壁に開けられた穴から、落ちていたネゲヴ軽機関銃を撃ちまくる。元は国内軍の物だろうが、持ち主は見当たらない。その銃には血糊を拭き取った跡があった。まぁ、そう言う事だ。ACOG(高度戦闘光学照準器)を覗き込み、敵が居るであろう場所に数発撃って身を隠す。すぐ
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