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銀色ランプの精は魔法が使えないっ!?
〜プロローグ〜嵐の前兆に誰も気づかない・・・。後編
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ってわけだ」
その割に、警備が手薄な気もするけどな。
とは口が裂けても言わない。
つまるところ、民間人にも見てもらいたくてこの展示会を開催したということか。
ちらりと時計を見れば件の怪盗の予告まで残り十五分弱。俺が怪盗ならその準備に・・・・。そう思った時にはっとなる。
しまった!!
俺は慌ててその区画を見やる。
そこには数人の客が出入りしているだけで何かがあるようには到底見えない。
「お兄様?」
俺の先程までの感じとは違っていきなりの慌てぶりに不思議そうにする結月。
が、そんな妹の様子など気にしている余裕は今の俺になかった。
一目散にその区画まで走り寄る。
それをこれまた不思議そうな表情を残しつつ何も言わずついてくる結月。
 区画内には今のところ変わったところはなく、区画の外とは違いその輝きを強調するかのようにやや暗めな演出がなされている。
そしてその中央には青白くクロスダイアモンドが光り輝いていた。もっと言えば、その輝きを強調するかのようにいくつかの小さな照明が中央にあるクロスダイアモンドへと注がれている。
随分な強調のされように苦笑を浮かべる。
それから再び親父の元へと走って戻る。
「なぁ親父っ」
「なんだ騒々しい。いくら警戒中とはいえもう少し静かにしろ。こうしてお前がこの事件に関われること自体異例なんだからな」
やや鬱陶しいような厄介払いするように俺にそんな事を言う親父。
「はいはい。それより、その怪盗が出したっていう予告状、俺にも見せてくれないか?どうせここまで来たんだし隠す必要もないだろ?」
「わかってるよ。いま用意させる」
どうやらそのへんはわかっているらしく、親父は主催者らしき人物のところまで行って小さな封筒をもらってくる。
「ほれ、こいつだ。後で返せよ」
そう言うと俺にそれを手渡す。この時点で既に予告時間まで残り五分を切っている。
俺は手早く封筒からその予告状を取り出す。
そこには――
 翌、明かり照らしたる眩き太陽の元、二時間後に参上。
光り輝きたる青白き心の蜘蛛の巣を奪いに参る。
                 怪盗メイン

と、書かれていた。
「親父、これよく時間わかったな」
ぱっと見たところ、今日の午後二時だとは誰が見てもわかるまい。
「それだがな、今朝ようやくわかったんだ。昨日からその道の暗号解読の専門家に解読してもらってな」
なるほど。それで慌ててここに来たというわけか。
「だが、奴が何を狙ってんだかそれが専門家でも解読できなくてな。とりあえず手当たり次第に警備させるしかなかった」
そういって、だいぶ困ったようにため息をこぼす親父。
「光り輝きたるって時点で宝石なのはわかったんだが」
「あとは俺がやる。時間もねぇ」
俺は親父にそれだけを言うと返事も待
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