番外9話『火拳で危険』
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当然!」
自信にあふれたハントの言葉に、ナミも一度視線をさまよわせたもののすぐに走り出す。
殿を務めることとなったハントとエースが二人してスモーカーたち海軍へと体を向ける。
スモーカーもここで麦わらの一味を逃すつもりはないが、なにせ相手は煙である自分のホワイトブローをはじいたことのある男と、白ヒゲ2番隊隊長『火拳のエース』。下手にまっすぐ攻めれば被害甚大になるのは目に見えているため、じっと二人の出方を測っている。
すぐには攻めてこなさそうというその雰囲気を二人は察し、まずはエースが言葉を落とした。
「誰に任せたら安心できないって? ハント」
先ほどルフィを救って現れた時とは違い、少々不機嫌そうにつぶやかれた言葉に、ハントもそれと同等の温度をもって答える。
「……そもそも誰がとろいって? エース」
「……」
「……」
二人してぐっとこらえるかのように黙り込み、そしてきっかり一秒。
「てめぇだよ!」
「お前だよ!」
と二人の言葉が見事に交差して、
「やるか、こら!」
また、同時に交差した。
そこからは売り言葉に買い言葉。
「ほぉ、いい度胸じゃねぇか! また大やけどで動けなくしてやろうか? ハント!?」
エースの言葉に――
「そっちこそまた食ったもんリバースさせてほしいみたいだな! エース!?」
――ハントが受けて立つ。
「4勝2敗って成績忘れてるんじゃねぇだろうな!」
これはエース。
「ふざけんな! 最初の決闘はなしっていつも言ってるだろうが!」
そしてハント。
「男同士の決闘に『なし』なんてもんはねぇんだよ! つうかどっちにしても俺のが勝ち星多いのは変わらねぇだろ!」
「全然違うっての! もうすぐ俺がお前に連勝して追い抜くんだよ!」
完全な子供の喧嘩。
麦わらの一味が見れば誰もが驚くだろう。
ハントは比較的穏やかな性格で、それは普段の口調からもある程度だが現れている。
よく笑うし、よく焦るし、よくへこむという子供っぽい態度はみせるが、ハントは怒らない。語気が荒くなるのは基本的に激しい突っ込みをいれる時ぐらい。そういう時以外はまるで諭すように笑って気にしない。
麦わら一味の中では比較的穏やかな性格だと、仲間たちはハントのことをそう思っている。
だが、そんな穏やか気味なはずのハントの口調が今は荒く、語気も強い。麦わら一味の中でも、もっともハントと親しいナミでもそんなハントを見たことはないだろう。
「お前じゃ一生俺には勝てねぇよ!」
「もう2回は勝ってる!」
「お前じゃ一生俺を追い越せねぇって意味だこのバカ!」
「誰がバカだ誰が! バカって言ったやつが
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