番外9話『火拳で危険』
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迫る。
危機感を覚えたルフィがあわてて逃げ足の速度アップさせるも、ホワイトブローはそれを超える速度でルフィへと迫る。
「っ!」
ハントが慌ててそれを弾き返そうと、体をすべり込ませようとして……その前に割り込んできた赤い何かに気づき、足を止めた。
「陽炎!」
「え?」
「な」
首を傾げたルフィと驚きに声が漏れたハント。
そこにいたのは一人の男。
上半身を裸で、黒い半ズボンと黒いブーツ。オレンジの赤い帽子についた笑顔と涙顔のバッジがきらりと光を反射して――
「……てめぇか!」
「お前は煙だろうが、俺は火だ。俺とお前の能力じゃ勝負はつかねぇよ」
「――エース?」
ルフィの兄で。
「――エース!」
ハントの友人がそこにいた。
「エースのこと知ってんのか、ハント!」
「そういうルフィこそ!」
顔を突っつき合わせて首をかしげる二人の声を背に聞いていたエースが笑いながら二人に言う。
「変わらねぇな、ルフィ……それに、相変わらずとろいな、ハント?」
「誰なの……!? あれ」
ナミの声が小さく落ちる。
予想外の登場人物に、スモーカー含めた海軍どころか麦わら一味まで足を止める。逃げることも忘れたルフィとハントがエースに声をかけようとしたところで、エースが顔をスモーカーへと向けたまま、二人に言う。
「とにかくこれじゃ話もできねぇ。後で追うからお前ら逃げろ。こいつは俺が止めといてやる」
「お、おう!」
エースの言葉にルフィが頷き、ハントが「は?」と珍しく好戦的な表情をみせた。
とはいえ、この状況においてハントの表情に注目している人物がいるはずもなく、スモーカーへと警戒を飛ばしているエースもまたそれに気づかずに叫ぶ。
「行け!」
その言葉に、ルフィもまたそれに呼応して「行くぞ!」と指示を飛ばす。「え、なにあいつ誰なの?」と混乱するナミたちもルフィの言葉通り、若干の混乱した様子をみせながらも逃げ始めたのだが、ハントだけは足を動かすのではなく口を動かした。
「ルフィ、俺はエースと行くから先に船出しといてくれ! すぐに追いつく!」
「ハン……ああ、わかった! ちゃんと来いよ!」
ハントの言葉に少しだけ足を止め口を開きかけたルフィだが、ハントの顔を見て言葉を変えた。ハントなら大丈夫だろうという信頼か、それともハントが珍しく好戦的な表情をしていることに気づいたからか。ともかく「ちゃんと行く!」というハントの返事を聞くとルフィはまた走りだした。
「ハント!?」
「大丈夫、すぐ追いつくから! エースなんかに任せたら安心できないからな! 一応だ! ナミも俺に気にせず先に行ってくれ!」
「う、うん……ちゃんと来なさいよ!」
「
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