番外9話『火拳で危険』
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か帰ってこない。
嫌な予感を否が応でも覚えさせられるハントの言葉に、まずはウソップが「いくらなんでもこんな短時間で問題を起こさねぇだろ、大量に食いだめしてるだけさ」と笑い飛ばし、全員がコクコクとそれを信じているというよりも願っているという表情で頷いた。
「で、これからどこへ向かうの、ビビ?」
いつまでもわからない心配をしていても仕方がない。これからの展望を聞くナミの言葉に、ビビが答える。
「何よりもまず反乱軍を止めたいの。そのためリーダーのいる反乱軍の本拠地『ユバ』というオアシスを目指すわ。ユバに行くには――」
「――待て、隠れろ!」
聞こえてきた喧噪に感づいたゾロがビビの言葉を遮り、体をレンガ壁の内側へと隠す。
「なに?」
「……」
尋ねるビビの言葉を受けてゾロ、ハント、それに遠視鏡を用意したウソップがそっと壁から頭を出してそれを確認する。
「えらい騒ぎだぜ……海賊でも現れ――」
「――い、いや……まさか」
「いくらルフィったって」
先ほどの嫌な予感を覚えさせる言葉を思い出して冷や汗を浮かべる3人だが、はたして。
「ああああああ」
ルフィが叫びながら海軍から逃げていた。
――お前かーーーっ!
一同が盛大にずっこけ、レンガから頭を出してしまった。そして、それがいけなかった。
「よぅ、ゾロ!」
「なにーー!?」
ルフィに見つかり、声を掛けられた。そうなると当然「麦わらの一味がいたぞぉ!」と、こうなるわけで。
「ばか、てめぇ一人でまいてこい!」
「お、みんないるなー」
ルフィがマイペースに喜んでいるからなんともいえない。
全員が一斉に逃げる準備に入った中、一人。
――ルフィが逃げる?
ハントがそれらのやりとりを見ながら首をかしげていた。
ルフィが逃げるという姿にイメージが追い付かなかったからだ。
――よっぽど強い相手でも現れた? ……いやでもルフィがそれで逃げるとは思えないんだけど……となると……うーん。
「まぁ、いいや」
結局考えてもわからなかったハントもまた逃げようとしたところで海軍から一人の男が現れたのを目の端でとらえた。
「お前たち、下がっていろ」
「大佐!」
スモーカーだ。
――なるほど。
ルフィが逃げたのは相手がロギア系のスモーカーだから。今のルフィでは確かに現状として、実力差云々の前に如何ともしがたいものがある。勝てる勝てないではなく触れないのだからどうしようもない。
別に戦わなければならない相手でもないのだから、ルフィが逃げてくるのは当たり前といえば当たり前。
「逃がすか、ホワイトブロー!」
スモーカーの煙の拳がルフィへと
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