二回戦開始
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た己の姿。その身体にはもはや手遅れとわかる傷が刻まれ、周囲に味方の姿も無い。
護ろうとした国に裏切られ、滅ぼされる。それが、王の未来であった。
『それでも、戦うと決めた。避けえない、孤独な破滅が待っていても。それまでに救えるものがあるのならば』
剣を担い王が呟くのが聞こえる。
それは、誓い。何者にも汚す事叶わぬ誓い。死の眠りに伏し、王が呟くのが聞こえる。
『だが、私は間違えたのだろうか。あの時、剣を抜いたのが私でなければ、この結末にはならなかったのではないのか。憎しみ合い、穿ちあう必要など―――』
それは、迷い。願いの果てに見つけてしまった迷い。呟きと共に、世界の全てが消えていく。
《二回戦 一日目》
悲しい夢を見た気がする。内容を思い出すことができないが悲しいという気持ちだけが俺の中に残っている
気晴らしも兼ねて校舎を歩き回っているとあることに気がついた。
「人が少なくなっている………」
先日まで人で溢れかえるほどいた廊下が嘘のように静まり返っている。
『単純に計算するならば、128人の半分が消えたことになるからな』
昨日の対戦で五十人以上の人がいなくなったことになるな。戦いが進むに連れて、これからもどんどん減って行くのだろう。校舎を歩きながら少なくなったマスターを見る。
ある者は勝利の笑み。
ある者は生き残った事の安堵。
ある者は次の試合の為の準備。
そしてある者はこの戦争をゲームだと勘違いし、一回戦で現実を見せつけられ敗北を恐れる表情。
理解したのだろう。ここが戦場だということを。参加者全員のピリピリとした空気が学校全体を覆っているようだ。
「しっあわっせはー、あっるいってこっない、だーから歩いていくんだね!」
前方からスキップしながらやってくる白野。…………………先ほどの言葉を訂正しよう。一人だけ飄々としている奴がいた。
「一日一歩ー、三ぃ日で三歩、さーんぽ進んで二歩さっがーる!へい!」
「って、結局一歩しか進んでおらんではない!」
わざわざ実体化してまでもツッコミをいれる赤セイバー。さらに訂正しよう。二人だけ飄々としている。
「あっ、おはよう士郎。一回戦勝ったのか」
「……………ああ、何とかな」
弓道場の時とは違い、人懐こい表情で喋りかけてくる。う〜ん、なんか昨日のこともあるから、会話しにくいと思ったがそうでもないな。
「これから、次の対戦相手を見に行くんだけど、一緒にどう?」
「もう次の対戦相手が発表されているのか?」
「いや、端末機に連絡がきてるけど………」
「えっ!?」
慌てて端末を操作して調べてみる
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