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Shangri-La...
第一部 学園都市篇
序章 シャングリ・ラの少年
16.July・Night:『The Dark Brotherhoods』
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―――?」

 それに、横断歩道を渡ろうとしていた女性の一人――金髪碧眼の、同い年くらいの少女が反応した。
 不思議そうに首を傾げる様子は恐らく、知り合いだったかと記憶を探っているからだろう。

 しかし、残念ながら嚆矢にも金髪碧眼の知り合いなどは記憶にない。一度会ったら、忘れないレベルの美少女なのだから。
 と、そこで少女が腑に落ちた顔をした。ぽむ、と手を叩いて……値踏みするように此方を見た後でにんまりと笑い、白いミニスカートから延びるタイツに包まれた脚線美でもって。黄金色の長い髪を揺らしながら、近寄って。

「ふぅーん、私的に顔はギリ合格ラインな訳だけどぉ……」
「は?」

 等と、嘲るように笑う。その後ろを、我関せずと残りの三人……気の強そうな茶髪にワンピースの女性とボンヤリしたジャージ姿の黒髪おかっぱ少女、オレンジのフードを目深に被ったホットパンツの小柄な少女(?)が歩き去っていく。

「結局、女の子四人組をナンパしたいんなら、最低でも車くらい持ってないと問答無用で不合格な訳よ」
「……いや、あのね」

 なるほど、そう来たかと。どうやら盛大な勘違いをしているらしい、帽子の脚線美少女に。

「……何、超恥ずかしい勘違いしてやがるんです? その人はあなたに声掛けたんじゃなくて、超左折しようとしただけです」
「――えっ?」

 ポケットに手を突っ込んだまま、フードの少女が仕方無さげに突っ込んだ。金髪の少女はそれを受けて、確かめるように此方を見る。
 だが、言いたい事は大体フードの少女が言ってくれたので、頷くだけに留めた。

「…………だう〜!」

 刹那、瞬間沸騰した金髪少女は、思いっきり頭を抱えて向こうに全力疾走していった。

「超迷惑かけました。あの人は、普段からあんな感じで超抜けてるんで、気にしないでいいです」
「あ、そう?」

 それを見送り、傍らの少女の言葉に曖昧に頷く。その心を埋めていたのは、先程の少女の事。
 有り体に言えば、『電話番号くらい聞いておけば良かった』という後悔の念だった。

「いやぁ、可愛い娘だったなぁ……ブロンド美少女とか、マジで居るんだな。『博物誌』に出てくるレベルの伝説上の生き物だとばかり……」

 そんな慚愧の思いをつい口に出しつつ、気が付いたのは……フードの奥から除く、爛々たる紫色の瞳。

「……えっと、どうかした?」
「いえ、超別に」

 居心地の悪さに問い掛ければ、ついと逸れる視線。と同時に、背後の車がクラクションを鳴らす。
 けたたましい音に、慌てて謝り――少女を見れば、既に向こうの歩道。

 しかし、気にしている暇はない。宣言通り左折して、嚆矢は姿を消した。

「う〜、誰か教えてくれても良いじゃない!」
「知らないあ
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