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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第二章
十八話 Lost memory
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ように手を出した。

「ほれ、腕見せろ。治してやっから」
「…………」
クラナは一言も発しなかったが、特に嫌がる様子もなく黙ってライノの言葉に従った。ライトイエローの光がクラナの拳を包み、すぐに止血と回復が為されて行く。

「ったく、格闘戦技者にとっちゃ拳は命だろ?自分で傷つけんなよアホらしい」
「うん、ごめん……」
「…………」
俯きながら治療を受けるクラナに、ライノは溜息を吐いて治療を続ける。

「今日の事な……まぁ、見て見ぬふりしろ言えねぇけど、あんまり気に病むなよ。妹ちゃんの記憶が戻って来るのは、何時かは来るって分かってた事だ。お前のせいじゃない」
「分かってたのか……」
少しだけ、驚きで顔を上げたクラナに、ライノはニッと笑って言う。

「タイミングが良すぎたからな。なのはさん達はモニタ見て無かっただろうから分かんなかったと思うけど……もろ肩の傷見えてたし。気がついてたか?俺、あんときフィールドにサーチャー飛ばしてたんだが……」
試すように言ったライノに、クラナは少しだけ苦笑して小さく肩をすくめた。

「ブレイカーが過ぎた後に飛ばしたやつでしょ?俺と戦ってる時に、アインハルトに邪魔されないように先に彼女を狙ったんだよね」
「っはは。やっぱばれてたか」
「相変わらず、ライノは抜け目無いよ」
そうなのだ。アインハルトには偶然のような事を言っておいて、実を言うとライノが二回連続で彼女と戦闘をしたのか彼自身狙ってやった事だった。と言うのも、位置取り的に、クラナとヴィヴィオが非常に近い位置に居たのである。
クラナを先に相手にする事で、ヴィヴィオと連携してクラナを排除する事も考えなかった訳ではない。が、その場合フリーになったアインハルトから奇襲を受ける恐れがあった四、其れをさせる間もなく狩れる程の自身も無かったので、先にアインハルトを抑えに回ったのだ。

「相変わらず、か……」
「……?」
少しなつかしむような声で言ったライノに、クラナは少しだけ首を傾げる。

「なぁ、クラナ。話少し変わるけどさ、お前、今年は出ねーの?」
「今年……?」
「IM」
「…………」
首を傾げたクラナに、即座に答えたライノの発した言葉を聞いた途端、クラナが黙り込んだ。

「ライノは出るの?」
「まぁな。出ねーと煩いのも居る事だし……」
「あぁ、あの人か」
少しだけ愉快そうに笑って言ったクラナとは対照的に、ライノの顔は苦々しげだ。

「ったく、毎度毎度おせっかいも良いとこだぜ俺の姉かアイツは」
「似たような者だと思うけど」
「冗談」
ふんっ。と言ったライノに少し苦笑してから、クラナは何処か遠くを見るような眼をして目を細めて言った。

「IMか……俺は、やっぱり、今年も出ないかな……」
「何でだよ。別
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