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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第二章
十八話 Lost memory
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来るかもって思える事でも、「無理」って思っちゃったらすぐ本当に出来なくなっちゃう」
「……ママは……どうして、そんなに……」
自信に満ちているのかと、ヴィヴィオは問うた。
自分のした事を母は知っている筈なのに……その時の、クラナの様子も知っている筈なのに。クラナが、どれだけ自分に傷つけられたかを知っている筈なのに……どうしてそんなに自信に満ちて「大丈夫だ」と言えるのか……
問われたなのはは、少し苦笑した後、のんびりとした様子で言った
「……うーん、じゃあ、ちょっとだけ弱気なママも教えちゃおうかな?」
「弱気な……ママ?」
「うん……ちょっと前までは……ママも今のヴィヴィオみたいに、とっても不安だったんだよ?ヴィヴィオとクラナが、この先どんな風に向き合って行くんだろう。とか、ママは二人をどんな風に支えて言ったらいいんだろう。とか」
悪戯っぽく言った台詞は、実を言えば、本音のかなりの部分を隠していた。
なのはは、本当に自分が恐れていたのは、“自分が”クラナとどう向き合っていくべきなのかと言う所であると自分で分かって居たからだ。いや、恐れて“いた”と過去形に表現するのは間違っているのだろう。正直を言えば今だって怖いから。けれど少なくとも……
「でもね?今は……あんまりそう言うの、心配して無いんだ」
これも本音とは少し違う。心配に決まっているし、少しだが恐怖もある。だが、彼女は今になって、クラナと接することへの手掛かりのような物を得たのだ。
今ヴィヴィオを前にしてこれだけの余裕を持てているのは、その手掛かりが彼女の心を支えているからに他ならなかった。……今日、クラナと正面を切ってぶつかってみて分かった事……クラナの事を信じると決めた事を、少なくとも間違ってはいなかったと、そう思えたのだ。
試合の中で、クラナと久しぶりに本気で力をぶつけ合って、真っ直ぐ自分を見るクラナと再会して……そうして最期の瞬間、ほんの一瞬だけ見えたクラナの小さな笑顔の中に、なのはは確かに、昔の……眩しい笑顔を放っていた時の、クラナを見つける事が出来ていた。
きっと、居るのだ。今でもクラナの中には……昔の、あの笑顔を何時でも振りまいていた頃の彼が。だから……
「ヴィヴィオは、今までみたいに……ううん。難しかったら、少しずつでも良い。クラナの事が大好きだって、クラナに伝えて上げて?きっと大丈夫。ママも頑張るから、ね?」
ポンポン。とヴィヴィオの髪を撫でながら、目線を合わせて言うなのはに対して、ヴィヴィオはしばらく泣きそうな(まぁ半分以上泣いて居るのだが)顔をしてはいたが、やがてほんの数滴の勇気を振り絞って、頷いた。
「……わかった。頑張る……!」
「……ありがとう」
そう言って、なのはは再び強く娘を抱きしめた。そして同時に……
『……ごめん
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