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母の怪我
第二章
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だけだ。乾かすのも乾燥機があった。だからこれは問題がなかった。しかし問題は他にあった。
「やれやれだわ」
「おい美佳」
 テーブルに座りながら娘に対して父親と兄が声をかけてくる。どちらもやたらと顔が長くあのアントニオ猪木に似ている。皺が多少あるかないか程度の違いだけでどちらもそっくりである。その二人が料理を作っている彼女に対して声をかけてきたのである。

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