第十四話
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ショウキside
《プネウマの花》を、首尾よく手に入れた俺とシリカは、シリカが俺の抱っこを拒否した(当たり前だ)ことで、一本道を歩いて帰ることとなった。
そして、意気揚々と帰ろうとした俺たちの前にあるのは、さっき放置したモンスターたちがうじゃうじゃとはびこっている図だった。
どいつもこいつも、うねうねと触手を伸ばして、俺たちを待ち構えている。
「…うわぁ…」
シリカがそんな声を上げるが、これは仕方がない。
人生、楽ばっかりは出来ないんだな。
「シリカ。こんだけいたら、流石にお前をおぶって向こうまで走るのは無理だ。」
「ですよね…」
当然、そんなことはシリカも分かっているようだ。
転移結晶を使っても良いんだが…そうすると、向こうで待ち構えているだろう、《タイタンズハンド》を素通りしてしまう。
…てか、俺たちが転移結晶を使うっていう可能性を考えてないのか、《タイタンズハンド》よ。
「じゃ、俺が先に行くから、シリカは隙を見て脱出してくれ。」
「え?先に行くって…」
「《縮地》」
シリカの呟きを背に、俺は高速移動術《縮地》にて、敵陣に突撃する。
SAOでは、現実で出来ることは大体出来る。
…そうしなければ、モンスターたちにはやられ放題だし、ゲーム内で過ごすことなど不可能だからだが…
そんなSAOの無駄なハイスペックのおかげで、俺は戦える。
ソードスキルと、戦闘用のスキルが使えない俺にとって、現実で学んだ剣術が生命線だ。
その中でも、高速移動術《縮地》は、モンスターが相手でも、プレイヤーが相手でも有効なため、多用している。
高速移動術《縮地》。
特殊な足の動きにより、走っている者の動きが消えるぐらいの速度で走る技だ。
まあ、この歩く花のように、視覚に頼らない相手には、消えたように見えても意味が無いことと、あんまり長距離は走れないこと、ずっと連続で出来ないことが弱点だ。
《縮地》にて移動した後、速攻でアイテムストレージを開き、《角笛》というアイテムを取りだす。
外見は見た目通りであり、ただの角笛だ。
吹くと、周囲のモンスターの注意を、少し引きつける効果を持つ。
本当は、レベルアップの為に敵を引きつけるように吹いたりするらしいが…まあ、レベルの概念が形だけである俺には関係がない。
ピューッッ!
美しく吹く、なんてことは考えず、思いっきり吹くと、歩く花が大量にこちらを向く。
…怖っ。
「シリカー!今のうちにさっさと逃げろよー!」
遠くの方にいるシリカは、少し躊躇したものの、敏捷値の許す限り走り出した。
「さてと…」
俺も俺で逃げないとな。
角笛をアイテムストレ
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