紅蓮色の戦慄
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倒れ込んでいた事だろう。
それほどまでにショックだったのだ。
「テメェ・・・自分の娘を殺したのか」
「言い方を改めてくれないか?ナツ・ドラグニル君。私は娘を殺してなどいないさ。殺したのはエバルーだろう?」
「そういう問題じゃねーんだよ!」
床を蹴る。
銃から放たれた弾丸さながらの勢いで、ナツはエストへと向かって行く。
「うおおおおおおおおおっ!」
雄叫びを上げながら、ナツが炎を纏った拳をエストへと向ける。
その瞬間、ナツとエスト、2人の間で焦げ茶色の髪が揺れた。
「!」
「魔法籠手・暴拳形態・威力増幅」
ナツが目を見開いたのも束の間。
一瞬にしてエストを守るように割り込んできたキャトルは魔法籠手の形状はそのままに、威力増幅の魔法をかける。
「統帥には指1本触れさせない・・・金牛宮の拳!」
「がぐあああっ!」
ルーシィと同じような背丈の細身の少女から放たれたとは思えないほど高威力の拳が、ほぼ零距離でナツに命中する。
その拳を喰らったナツは勢いよく吹っ飛び、壁へと叩きつけられた。
「金牛宮は怪力を持つ・・・星霊魔導士がいながら、そんな事も知らないのか」
チラリとルーシィに目を向け、キャトルは呟く。
彼女は直属部隊の“金牛宮”。
その名に恥じぬ力を持っているという事だ。
「ナツ・ドラグニル。ティア嬢からは“バカナツ”と呼ばれる。熱血漢で単細胞、火竜の異名を持つ炎の滅竜魔導士」
機械めいた口調でパラゴーネが言い放つ。
「単調な攻撃のみ可能とされ―――――――」
「・・・黙れ」
「――――――ん?」
音1つ立てず、言葉を続けようとしたパラゴーネの首筋に光を反射して鋭い煌めきを放つ刃が添えられた。
目線だけをそっちに向けると、別空間から魔法剣を取り出したエルザが剣を構えている。
「エルザ・スカーレット。ギルド最強の女魔導士とされ、妖精女王と呼ばれる。騎士の使い手・・・なるほど、確かに最強と呼ぶに相応しい魔力を感じる」
「黙れと言ったはずだ。貴様等がカトレーンの使いだか何だか知らないが、闇ギルドの人間である事に変わりはない」
「・・・全く、正規ギルドはこれだから困る」
「何?」
ピクリ、とエルザの眉が動く。
だが、それに構わず、パラゴーネは紅蓮の瞳でエルザを見上げ、呟いた。
「この程度で、天秤宮を司る私の動きを止められると思った?」
ただ一言。
それだけを口にしたパラゴーネ。
そして、ゆっくりと右手を動かす。
「!?なっ・・・」
「ほら」
開
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