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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep40悲しみの砲光は冬空を照らして〜Celestial Birds〜
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ない』
続いてマルシーダ二尉の念話が響いてくる。それと同時に私に向かって突撃してくるファノ。“レイジングハート”を向けるけど、すぐさま降ろして軌道上より退避。
『そうよ。復讐を成し遂げた今、あとは管理局というシステムをリセットし、次代のために新たな・・・シス・・テムを・・下・・切り捨・・ない組織・・・を・・・つく・・・り・・・』
オデッセイ二尉の念話が入るけど、後半は途切れ途切れで上手く聞きとれない。ファノも完全に動きを止めて、左の頭部がゆっくりと項垂れ始める。マルフィールの
左手
(
イスキエルド
)
。あの項垂れた左の頭部はオデッセイ二尉なのかもしれない。
『アレッタ・・長・・・先に・・・逝って・・・』
『ああ、先に逝っていてくれ、ヴィオラ』
『・・・カローラ・・・サフィー・・・ロ・・・未来を・・・』
項垂れていた左の頭部の天辺、そこから赤い光粒子が出てきて、天へと昇っていった。オデッセイ二尉の声はそれっきり聞こえなくなった。項垂れていた頭が上がる。だけどその目はさっきまで光沢を放っていたモノと違って、明らかに暗くて深い、生物としての目じゃなくなっていた。
「犠牲・・・。それは、あなた達の
自身
(
そんざい
)
そのものが犠牲になる、と捉えてもいいんだね・・・?」
レヴィが天に昇っていった光粒子を見送った後、ファノへと視線を向けてそう言った。私は「え?」と、ほとんど無意識にそう漏らしていた。
『そうだ。元より俺たちは未練、想いというモノをボスの力によって集約、固定された不確かな存在だ。それが魔族と呼ばれる
超存在
(
いぶつ
)
と融合すれば、薄れ欠けて行くのは必然。今回の俺たちマルフィール隊とファノ3体の完全融合。しばらくすれば、俺という存在も完全に消えるだろう。だが後悔はしていない。3人同意の上での結末だからな』
「・・・どうして・・・どうして・・・?」
『俺たちの
復讐
(
もくてき
)
はすでに果たされた。もうこの生の世界に未練はない。が、俺たちに再び
身体
(
じかん
)
を与えてくれたボスへの礼がまだだ。ゆえに、この身を心を犠牲にしてでも彼女の願いを果たすために、俺たちは戦う。だから彼女の邪魔をするお前たちを、何としてもこの場で墜とす・・・!』
私の問いにアレッタ三佐はそう答え、大きく翼を羽ばたかせて鳴いた。
――秘奥なる禁断の御光――
3つのくちばしと三対の翼を大きく広げて、計9本の砲撃を撃ってきた。しかも一瞬じゃなく持続する砲撃。こちらも連続で大きく避けないといけなくなった。防戦一方。一撃でファノを倒せる魔法はどれも発射まで時間が必要だ。だから常にこっちに向いてくる砲撃の中、チャージするのは至難。
『解かるな、高町。戦いに慈悲などありはしない。そう、死闘において二等賞の席など無い。
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