暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep39それが僕たちの歩む道〜Belief and Pride〜
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二佐と話すグラナードからは、さっきまでの危険な感じが一切無くなった。生前親しかった人との再会だからだろうか。その表情は少し嬉しそうで、だけどそれ以上に寂そうで悲しそうで。

「そんな妙なモンの力で勝って、お前は嬉しいのか?」

二佐がフォヴニスの甲冑を見てそう言った。グラナードはそれに対して何も言わない。その顔は言われなくても解かってるって顔だ。すると二佐は懐から細長い結晶を取り出して、それをグラナードに差し出す。

「これは・・・! オレのデバイス・・・黄昏の戦槍(デンメルング)!」

あの結晶はグラナードが生前使っていた長槍型デバイスの待機モードらしい。“デンメルング”。確か夜明けや夕暮れって意味だったっけ?

「槍騎士の先輩として、槍騎士の後輩に腕を見せてやれよ、メルセデス。お前にはそんなつまらねぇ力より、騎士としての力の方が合う。違うか?」

グラナードはしばらく逡巡して、デバイス・“デンメルング”を手に取った。二佐が僕の方に振り向いて、「もう1度、このバカと闘ってやってくれ。今度は騎士の決闘としてよ」と言って頭を下げた。僕の答えはもう決まっている。

「僕の方からもお願いします。グラナード。いえ、騎士メルセデス・シュトゥットガルト」

スピーアフォルムに戻した“ストラーダ”を構える。するとグラナードはゆっくり立ち上がって大きく深呼吸。

「・・・あばよ、フォヴニス」

そう呟いてフォヴニスとの融合を解いた。光となって消えていくフォヴニスを見送った騎士メルセデスは、“デンメルング”をギュッと握りしめて、僕を見た。その表情は晴れやかと言っても良いくらいのスッキリした顔だった。

「メルセデス・シュトゥットガルト。行くぜ・・・!」

“デンメルング”を起動して、武装隊の防護服を着用、2m近い全部が白の長槍を構えた。僕もその名乗りに応えるように「エリオ・モンディアル。行きます!」と返す。静まり返る丘。戦闘開始の合図はフリードの「きゅくるー」っていう鳴き声だった。

†††Sideエリオ⇒キャロ†††

エリオ君と、生前の騎士としての姿に戻ったグラナード、ううん騎士メルセデスの決闘が始まった。それはお互いが一歩も引かない激しい闘いで、だけど2人ともすごく楽しそう。

「こんのぉぉぉぉーーーーッ!!」

「どこ見てんだッ!? 脇が甘いぞ!」

魔法を何ひとつ使わない、純粋な槍術だけの決闘。そのまるで踊っているような闘いは、騎士メルセデスがエリオ君を鍛えているような感じで進む。

「あんなに楽しそうに闘いやがって。バカ息子が・・・!」

わたしの隣でエリオ君たちの闘いを見守るランボルギーニ二佐は小さく笑って、制服の袖で目を拭った。わたしは見ないフリをする。今はそれが良いのかなって思
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