暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep38ランスターの弾丸は全てを撃ち抜く〜My answer〜
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を睨み付ける。だけど廃棄ビル群の所為で閉塞的に見えるこの空じゃ、お兄ちゃんの姿を見つけられない。
(明らかにお兄ちゃんは異常。あの目、あの模様・・・何かがあったとしか思えない)
奇襲に備えて2挺の“クロスミラージュ”をダガーモードにして構える。心当たりは魔族。でもシャルさんの考えやあたしの考えから見ても、お兄ちゃん達が魔族に手を出すとは思えない。ならあれはどう説明する。真っ先に浮かぶのが“テスタメント”幹部の中で1番怪しいディアマンテ。
――誰が知る其が終の果て――
ほとんど直感だった。あたしは前へ全力で跳んだ。するとさっきまであたしが居た場所に魔力弾が降り注いだ。前転して立ち上がって周囲を見回すと、白コートを纏ったお兄ちゃんの姿が見えた。右手に白い拳銃。左手に長く黒いライフル。2挺の銃身の上下に付いている刃が鈍く光る。
「お兄ちゃん・・・!」
お兄ちゃんは空を仰ぎながら、身体を左右に揺らしてゆっくりと歩いてくる。試しに「お兄ちゃん」と呼びかけてみる。だけど返事はなかった。返ってきたのは、白銃から放たれた魔力弾。威力は今まで以上。あたしは横っ跳びして回避。お兄ちゃんは休むことなく魔力弾を撃ち続ける。それをまた横っ跳び、またはバックステップで避けていく。
『ティアナ、聞こえる!?』
そこに、“ヴォルフラム”で待機しているシャルさんからの通信が入った。
『聞こえます! あの、お兄ちゃんのことなんですが!』
『状況は判ってる。ごめん、まさかこうなるなんて思わなかった』
そう謝ってきたシャルさん。あたしは無言で続きを待つ。その間にもお兄ちゃんの攻撃を紙一重で避けて、どうしても避けきれない場合はシールドで軌道を逸らす。ルシルさんから教わった防御法。受けるより逸らす方が効率的だ、っていう教え。シャルさんは『ティーダもそうだなんて』って言った後・・・
『クイントさん、そしてティーダはある魔族に囚われてる。魔族名は、幻想一属、暴力の災渦ゲヴァルトゼーレ。対象に無理矢理とり憑いて凶暴化させて精神を食べる、幻想一属の中でも最悪な奴よ。で、そんなヤバい奴を2人が使うとは思えない。つまり、誰かが2人と魔族を無理矢理融合させた、そう考えられる』
知りたかったことを教えてくれた。というか、スバルのお母さんも同じ状況なのね。あたしの心の揺らぎにでも気付いたのか、お兄ちゃんは左手に持つ黒銃の銃口を向けてきた。
(やば・・・!)
魔力が集まっていく。集束砲撃。威力はきっと今までに見た以上。ステップで回避。ダメ、避けきれる確信が無い。防御。それもダメ。防ぎきれる威力じゃないことは感じ取れる。だったら、もう1つの回避方法を選択する。黒銃の銃口の光が一際強くなった瞬間、あたしは“クロスミラージュ”を右サイド、
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