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【完結】剣製の魔法少女戦記
第五章 StrikerS編
第百五十五話  『聖王のゆりかご、起動』
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せる。

「仕方ないっスよ。あたし達は削られた分を補給できるほど人員はいないッスから使えるもんは使わないともったいないっス。
トレディ姉はまだまだ迷いがあるね。人質をこんな事に使っていいのかっていうね」
「………確かに、迷いはあります。ですがそれがドクターの望むことなら、従います」
「それでいいと思うッスよ?」
「………はい。ランさん、心苦しいですが、あなたの力、使わせていただきます」
「………」

ランは無言で頷きを返した。
そしてトレディ等一同は破壊されたアインヘリアルを後にするのだった。



◆◇―――――――――◇◆



それをモニターで見ていたウーノはというと、

「…各アインヘリアルは破壊に成功したそうです、ドクター」
「そうかい。さすがだね。素晴らしいね。
もとは最高評議会が主導で進めていて、管理局が実用寸前までこぎつけていた技術だからね。
それを私が随分と時間をかけて改良してきた戦闘機人量産計画だからね。それくらいの成果を出してもらわなければ困るというものだよ」
「はい。…それと撃墜されたセッテの代わりの補充要員の彼女ですが…」
「ああ。彼女の潜在能力は検査の結果、すざまじいものがあったからねぇ…。
機動六課は彼女の潜在能力を引き出す術を見つけていなかったようだが、私ならそれが可能だった。
ただ、残念だったのはいじれたのは彼女のデバイスだけだった。彼女自身はトレディがかたくなに拒否したのだから仕方がない」
「私の妹がすみません、ドクター…」
「構わないよ、ウーノ。自己出張をするようになったのは私としても嬉しい誤算だからね」

スカリエッティは「くくく…」と笑い、トレディの成長を喜んでいる。

「さて、そろそろくらいかね? 聖王の状態はどうなっているかね? ウーノ」
「はい。現在、魔術師殿の手により玉座に座らされている状態です。やろうと思えばいつでもゆりかごの起動は可能ですよ。
ドクターの夢がまた一つ、叶いますね」
「ああ、ゆりかごを見つけてからここ数年で聖王のクローンであるヴィヴィオを主体に置こうと考えていたが、サーヴァントとはいえ聖王本人がいる。
これ以上に必要な人材はいない。だからヴィヴィオを隠れ蓑にしていつエースオブエースとともにオリヴィエを捕らえようかと計画を練ったものだ。
それも魔術師殿のお力添えで見事成功した。
だが、夢の始まりはここからだ、ウーノ。古代ベルカの叡智の結晶…ゆりかごの力をもってしてここから始まるのだよ。
誰にも邪魔されない楽しい夢の始まりなのだよ」

スカリエッティは両手を空に掲げて恍惚の表情をその顔に刻むのであった。
ウーノもそれを聞いて微笑みを浮かべていた。
だが、その時だった。
警報の音が鳴り響いたのは…。



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