Episode3 パーティー
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器全てですか?それは、すごいですね!」
あたしの鍛えた武器を褒めてくれるのは、とっても嬉しい。だけど、この時ばかりは早く終わらないかな、って思った。幸い他のお客さんは来店していない。だから、他のお客さんが来る前に早く帰って欲しかったからだ。
「よし、少し重いけど、これにします。いくらですか?」
「あ、はい。―――コルになります」
やっと、終わったと思い、この人が帰ったらすぐにお店を閉めて、あたしも出発しないと、と考えていたら―――
「なにか困ったことでもあったんですか?」
「えっ?」
「短剣の棚はこちらです」
案内された棚には、短剣がきれいに陳列されていた。いくつか手にとってみるが、やや重い感じする。こういうときは、店の人に聞くのが一番効率がいいので聞くことにする。
「すみません、スピード系はどれになりますか?」
「それでしたら、これなんかどうでしょう?」
渡された短剣を持ってみる。先ほど持ってみた短剣よりも軽い。僕はあくまで弓使いで、短剣にはあまり詳しくはないけど、これはとてもいい武器だと思う。なんていうか、武器に対する想いが伝わってくる感じだ。
「すばらしい短剣ですね。これも、あなたが鍛えたんですか?」
「はい、ここに並んでいる武器は全部あたしが作ったんですよ」
「ここにある武器全てですか?それは、すごいですね!」
このデスゲームを終わらせようと努力している人は、前線で戦い続けている攻略組の人たちだけではないということを改めて感じさせられる。彼女のような生産職の人たちが影で支えているおかげで、戦うことができるのだと……。
「よし、少し重いけど、これにします。いくらですか?」
「あ、はい。―――コルになります」
指定されたお金を支払い、短剣を受け取る。そこで、最初から疑問に思っていたことがある。それは、彼女の行動だ。なんていうか、そわそわしていて、何か急いでいるような様子が所々で窺えた。
(急ぎの仕事でもあったのだろうか?)
いや、それなら店の開店時間をずらして、その仕事が終わってから店を開ければいいことだ。なら、緊急事態なことが起こり、とにかく店をいったん閉めようとしているのか。おそらく、後者だろう。それなら、先ほどから店の入り口を気にしているのにも頷ける。知り合いやお得意さんが来るというのも考えられるが、それなら、僕の接客をNPCの店員に任せればいいことだから、その線は薄いだろう。何となく、ほっとくことができないと思ったので、話だけでも聞いてみることにする。
「なにか困ったことでもあったんですか?」
「えっ?」
彼女の表情がホッとしたものから驚きへと変化する。
「なんとなく、そんな様子だったからね。僕でよかった
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