Episode3 パーティー
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「すみません、ここのオーナーの方ですか?」
少し、失礼な質問かもしれないが、彼女の着ている服装は鍛冶屋の服装のイメージとはかけ離れているからだ。
「はい、そうですが……。何をお求めですか?」
「えっと、短剣を見繕って欲しいのですが」
「おじゃまします」
あたしが開けようと、扉に手を伸ばした瞬間に勝手に開き、一人の男性がお店に入ってきた。店を閉めようと思った矢先に、これはお決まりの展開ってやつですか!
「あの……」
「えっ、あ……。い、いらっしゃいませ!」
この怒りを誰にぶつければいいのだろうとか、色々と考えていたところ、声を掛けられ我に返る。この人に悪意はない。開いているお店に入ってきただけのお客さんなんだから……。とにかく接客しなきゃと思い、笑顔を作ったけど、きちんとできてたかは自信がないかも……。
「すみません、ここのオーナーの方ですか?」
まぁ、この服装を見ればその質問も頷ける。だけど、この人は「オーナーの方いますか?」と聞いてこなかったので、気を使える人なんだと思う。
「はい、そうですが……。何をお求めですか?」
「えっと、短剣を見繕って欲しいのですが」
あたしよりも年上だろう、キリトにはなかった大人びた雰囲気がこの人から感じられる。だけど、はじめてキリトと会ったとき以上に、高いレベルのプレイヤーには見えなかった。
黒いシャツにダークグリーンのズボン、黒いブーツ。それに、紺色のフード付のマントを羽織っている。そして、特徴的なのが白いロングマフラーと右手の金の腕輪だ。すっかり秋も深くなり、少し肌寒くなってきているからマフラーは頷ける。だけど、腕輪のほうは、おそらくファッション用ではなく、何かしらの効果がある装飾品だと思うけど、なんと言ったらいいか……、正直あまり似合っていない。それは置いといて、キリトのこともあったから、レベルに関しては見た目よりも高いかもしれないので、案内することにする。
「短剣の棚はこちらです」
短剣が並ぶ棚に案内すると、男性は順に物色し始める。何個か手にとっているが、首を傾げるような動作を行い、もとあった場所に戻す。
「すみません、スピード系はどれになりますか?」
「それでしたら、これなんかどうでしょう?」
あたしが差し出したのは、割と自信作の一振り。それなりにレア度の高いスピード系の金属を使用し鍛えた短剣。かなり軽く手数で攻める戦闘タイプのプレイヤーには、相性がいい武器に仕上がっているはずだ。
男性はそれを手に持つと、少し驚いたような表情を浮かべる。
「すばらしい短剣ですね。これも、あなたが鍛えたんですか?」
「はい、ここに並んでいる武器は全部あたしが作ったんですよ」
「ここにある武
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