Episode3 パーティー
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ていうか、あの二人絶対一緒にいると思うんだけど……。そんなことよりも―――、
「あたし一人で行くしかないかな?」
他に頼めそうな人がいないので、一人で行くことにする。なぜ、そこまでするのかって?
そんなの決まってるわ!ゲームの中とはいえ、苦労して手に入れたあたしのお店だからだ。一人であろうと、信用を失わせるようなことがあってはならないから、絶対に妥協はしたくない。
とにかく、すぐに出発しよう。身支度を済ませ、店先のOPENの木札を裏返しにするため出口に向かう。店を開けたばかりだけど、まだ誰も居ないし、夕方まで休みにしよう。夕方には、受け取りに来るから、それまでには戻らないと。そんなことを思いながら、扉に手を掛けようとしたとき―――
「おじゃまします」
計ったかの様なタイミングで扉が開き、一人の青年がお店の中に入ってきた。
ソートアート・オンライン 〜命の軌跡〜
Episode3 パーティー
第四十八層 『リンダース』
午前九時を少し廻ったくらいに『リンダース』の転移ゲートに到着した。目的は昨日、エギルさんに教えてもらった『リズベット武具店』で、ここのオーナーに短剣をお願いするためだ。 弓使いは、ダンジョンで矢のストックを切らしたときのために、サブウェポンを用意しておかなくてはならない。あと、どうしても接近戦を強いられる時とかね。
サブウェポンを短剣にした理由は、敏捷優先ビルド故に比較的高い筋力値を要求しないこの武器を選んだ。それに、敏捷型ビルドにとっては小回りが利くほうが実用性が増す。まぁ、例外はあるし、自分のレベルに見合っていないものは、当然扱えない。あくまで、サブであり、メインは弓であることは変わらない。保険として用意しておく程度のものだ。
「ここかな?」
風車つきの家を発見し、店先にはOPENの木札が架かっている。それを確認して、少しホッとする。今日が定休日だったり、開店時間もう少し遅くからとかではなかったからだ。特にこのあと予定とかはないが、無駄足になるのだけは、なるべくなら避けたいところだかね。
「おじゃまします」
扉を開いて、店内に入ると目の前にピンク色の髪の毛のウェイトレスのような格好をした女の子が立っていた。立っていたというよりは、外に出るため扉に手を伸ばしている格好だ。このお店の扉が店の外側に開くタイプだったので、僕が開けた勢いで、彼女に扉が当たることはなかったが、同じ姿勢のまま固まっている。
「あの……」
「えっ、あ……。い、いらっしゃいませ!」
どうやら復活したみたいで、営業スマイルであいさつをしてくるが、その笑顔がどこかしら引き攣っているように見える。その様子に、内心首を傾げながらも用件を告げることにする。
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