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機動戦士ガンダムSEED DESTINY〜SAVIOUR〜
第二十話 母親
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ふう…」

タリアは目を閉じて、かつて、ディオキアでした会話を思い出す。



































デュランダル『タリア』

タリア『何?』

呼ばれる自分の名前。
公私を区別していながらも時に公の場で議長はその呼称を使って呼びかけ、自分をよく困惑に落としたけれど。
今はただ、以前と同じではないけれど同じように答えて。

デュランダル『君は私に子供が欲しいと言ったが…』

確かに言った。
それで授かった子がいるから、それを後悔することはないけれど。
プラントのルールを、自分達にはどうしようもない遺伝子を、彼は何度も呪ってしまった。
あれは、本気の恋だった。
彼も自分も、偽りなく本気の恋だった。
差し出した手を握り、離した瞬間に終わってしまう恋ではなかった。
彼は誇らしげに、きっとギルバート・デュランダルを知る多くの人は見たことがないだろう。
彼等を除いて。
彼のその子供じみたとも言えそうな、誇らしげな顔。

デュランダル『私にも、子供がいるのだよ』

彼の孤独を彼等が癒してくれた。

デュランダル『3人もいてね。レイとナオト、アレックスと言って、皆とてもいい子達なんだ』

夜景に金色が映える。
何て意地の悪い人だろう。
それは自分へのあてつけだろうか?





































タリア「ええそうね、とても良い子達だわ、本当に」

羨ましくて少し妬けるぐらい。
自分は彼を選べずに同じ道を歩めなかったけれど、それでも彼は幸せだったのだ。
長い長い時間を、彼と共有出来なかった自分の代わりなどではなかったのだろう、少年と少女。
彼はあの子達だけが受け止めることの出来る愛情を、注いだのだろう。
誰の代わりでもなく。
アレックスもレイもナオトも彼にとって大事な息子と娘なのだから…。
ふと、自分を母と呼んだ連合のエクステンデッドの少年の姿が思い浮かんだ。
タリアは自嘲するように呟いた。

タリア「あの子に情が移っちゃったかな…?あんな大きい子供がいるような歳でもないけれど……あなたもこんな気持ちだったの?ギルバート……」

タリアはかつての恋人の名前を呟きながら艦長室を後にする。目指すは医務室。







































アレックスが談話室に向かおうと通路を歩いていた時。

ナオト「あ、アレックス!!」

ナオトは
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